ジギング入門用のターゲットとして、エキスパートのテクニカルなゲームとして、そしてもちろん食べて美味しい魚として、タチウオは幅広いアングラーに親しまれている。ではタチウオを釣るためのジグは、どんなものが良いのだろうか?タチウオジギングのエキスパート・楠本直樹とメガバスが共同開発した専用ジグ、スラッシュビートをモデルに、釣れるタチウオジグについて解説しよう。
タチウオジグのチェックポイント①「ジグウエイトは100~150gが標準」
タチウオジギングの釣り場は平均的に50m~100mの水深。地域や釣りをする時間帯によっても異なるが、大まかに言えば夏は比較的浅く、冬に向かってだんだん深くなっていくというのが基本。ジグウエイト=水深の2倍という基準に照らせば、100g~200gということだが、なかでも外せないのが100~150g。この重さを中心に揃えて行こう。スラッシュビートは80g~180gをラインナップ。表層からディープまであらゆる条件をカバーする。
タチウオジグのチェックポイント②「カラーは潮の濁りと光量で選ぶ」
タチウオは色によるヒット率の差も激しい魚。潮の色や周囲の明るさを基準に、何パターンかのカラーを準備しておきたい。傾向としては水色がクリアーなほどナチュラルな色、暗い時間帯や濁り潮では派手めの色を選ぶ。実績が高いのはシルバー、アカキン、バイオレット(紫)、グローなど。グローが縞状に入ったゼブラパターンも効果的だ。スラッシュビートは全国的に実績の高いヒットパターンばかりを8色に絞り込んで展開。最初はシルバー系とアカキンから始め、徐々に色を増やしていくのがおススメだ。
タチウオジグのチェックポイント③「特化型より万能型が使いやすい」
タチウオジギングではなにかひとつに特化したジグより、オールマイティに使えるジグのほうが、応用が効いて釣果も上がる。スラッシュビートはそこを重視し、センターバランスのベーシックなデザイン。誰が使っても安定した泳ぎを出すことができ、シャクリでもフォールでもヒットを期待できる。
タチウオジグのチェックポイント④「キズに強く、コスパが高いこと」
タチウオの鋭い歯は堅いメタルジグにも一噛みで歯形を付けてしまうほど。そこで、塗装はキズに強く、剥がれにくいものが理想だ。さらに、その鋭い歯でリーダーごと切られるリスクもあるため、価格は出来るだけ安く抑えたい。メガバスではそんな現場の声に応え、630円~1060円という買い求めやすい価格を設定。頑丈な塗装による耐久性も考慮すればコストパフォーマンスは最高レベルと言っても過言ではない。
●PRO’S VOICE「楽にしゃくれてよく釣れるジグ」(楠本直樹) 「基本コンセプトは誰がどこで使っても釣ることができるベーシックなジグ。そのためにはとにかく楽にしゃくれることも大切だし、飛ばしたり、まっすぐ上げたり、フォールで食わせたり、ひとつでいろいろなパターンに対応できることも大切ということで、シンプルなフォルムのセンターバランスになりました。ウエイトは80g、100g、120g、150g、180gの5タイプ。どれも使用頻度の高いサイズで、シルエットも近海の主要なベイトフィッシュに近くしました。選ぶ際は水深と潮流を意識して、そのときの条件下で確実にボトムを取れるウエイトをチョイス。ただ、フォールのアタリが多いときはあえて一段軽いものを選ぶこともありますし、その逆もあります。適度な引き抵抗もあって使いやすいジグに仕上がりました」 |
|
●PRO’S VOICE「オーソドックスで使いやすいタチウオジグの王道」(徳永兼三) 「東京湾では夏のタチウオが7月ごろに始まって、秋口に一度釣れない時期を挟んで晩秋から再び釣れ始めるという流れ。前半はヒットレンジが浅いこともあるのですが、後半は100mから深いときは150m以上にもなるので、ジグのサイズは各種用意していくことをお勧めします。最も活躍するのは100gと120g。水深が浅い時でも潮流が速かったり、エサ釣りと同船することもあったりで、バーチカルに真っ直ぐ沈む重さを最優先することも多いですね。水色が濁り気味なこともあってか、カラーはバイオレットとアカキンに実績が高いですね。スラッシュビートはオーソドックスで使いやすく、沈みが速くてキズにも強い。すべての要素を満たし、まさにタチウオジグの王道ですね」 |
|
|
タチウオジギングのシーズンは、これから冬までのロングラン。その間には狙う水深もヒットパターンも変わっていくが、サイズ、カラー、操作性など、アングラーがこの釣りに求めるファクターを余すことなく盛り込んだスラッシュビートならどんな場面にも対応可能。タチウオジギングのニュースタンダード・スラッシュビートでドラゴン級を狙ってみよう。