黒日差しを避け、今宵も夜中から竿を振る♪
とはいえ風の無い河原は蒸し暑く、テクテクとポイントを探りつつ歩いているだけで汗が吹き出してくる。
脱水症状になっても困るので、携帯したドリンクをこまめに口にするのだが、飲んだ途端に発汗量がリニアに増える事に、やるせなさを覚える・・・(笑)
さて、いよいよ釣り座を決めれば、闇に紛れて静々と腰まで入水♪
全くもってウェーディングする必要などない場所だったのですが・・・涼を求めた(笑)
狙いとしては私同様、涼を求めて河川内に忍び込む輩で、それを河川内に溜まっているイナっ子サイズに合ったKAGELOU 100Fで誘っていく・・・。
流れを横切るようにKAGELOU 100Fをクロスキャストし、着水位置を点々と変えながら、U字リトリーブを繰り出していると、数投目のリトリーブ中、U字頂点あたりのタイミングで「コツコツ」としたバイト感触が発生!?
そのままリーリングが止められ、ノルかと期待したのだが、残念ながら発展せず(笑)
見つけた魚っ気に、今一度同じコースへKAGELOU 100Fを投じ擦ってみたところ、再び同じ位置で同様のバイト感触がロッドに伝わった為、今度はしっかりと此方からフッキングを見舞ったところ・・・「ズコッ!」と心地よい重みがラインの先に生まれ、すぐさま走りだしました♪
「噛み付くようなバイト感触」・「跳ねない抵抗」・「軽快な走り」から、おおよそ見当はついていましたが、正体は黒鯛さん♪
テールフック掛かりから推察するに、流れを無防備に横切っていくカゲロウ100Fを追尾した後、ターンの挙動変化がきっかけでKAGELOU 100Fのお尻に噛み付きバイトという感じ♪
このタイミングが時合かと思い、この後に期待してKAGELOU 100Fを周囲に散らしてみたのですがアタリは続かず、シーバス・黒鯛ともに反応は得られず。
さすれば、訪れる夜明けのタイミングに期待をかけるわけですが、潮位の加減か、はたまたタイミングの問題か、何故か最高の時間帯も活気無くノーバイト・・・。
マズメを何事も無くやり過ごし、いよいよ陽が昇り、グングンと上昇し始めた気温に急かされながら、ギブアップ前に今一度、視界の良くなった所で河川内調査を行ってみます。
すっかり潮を失い、水位の無くなった流れに、根気よく片端からPROP DARTER i-WAKEを撃ち込んでいきますが、なかなか反応は無く・・・。
とうとう最後の流れまで行き着き、「ここをラスト」とi-WAKEを撃ち込み、流れをクロスに斬ってみたところ、流れの中間地点くらいの位置で、一瞬i-WAKEの挙動が乱れた!?
アイウェイクの非対称ペラが、流れに揉まれた結果、たまたま「揺らいだ」だけかとも思い、様子見がてら、そのまま静かにi-WAKEを流しきり、流れを抜けたところで軽くジャークを入れ、スイッシュ音と水飛沫を織り交ぜてアピールしてみたところ・・・。
突如「ガホッ!」「ゴフッ!」とi-WAKEが水面下から襲われ始め!?
揺らめくi-WAKEが何度もアタックされるのですが・・・一向にノラナイ。(笑)
そうこうしている内に此方のヒキ代が無くなり、いよいよ停止して動かなくなったi-WAKEに違和感を覚えたであろう魚は、ゆっくりと流れの中に溶け込むように消えてきいき・・・。
最後の最後に訪れたトップゲームに、ノセきれなかった敗北感と、「もうワンチャンスあるんじゃないか?」という期待感が入り交ざり、妙な興奮が生じます♪(笑)
当然ダメ元でもう一勝負仕掛けます!相手の正体は分かっていて、水面に反応するのも分かっている。ノラなかったのは、恐らくルアーサイズの問題だろう・・・とすれば、適任はコレだろうとSWING HOT(水砲)をベストから取り出し、先刻のi-WAKEと同様のコースに送り込む。
相手は警戒しているだろうか?いや・・・あれだけ果敢にi-WAKEを襲っていたのだから活性はかなり高いはず・・・水砲を動かしてアピールした方が早いか?いや・・・活性が高いのだから、むしろタダ巻きで十分で、下手に動かした方が違和感を与えるのでは?(笑)
興奮の中、結論出ぬままに迷いながらSWING HOTをタダ巻きで流れを横切らせるも無反応・・・。
「マズ~い!!反応しナ~イ!?」と一気に焦るも・・・しばし諦めず、流芯を抜けた緩流帯で最後のアピールがてらSWING HOTを揺らし、首振りさせてみたところ・・・。
「ボシュ♪」という、こもった破裂音と共に水面がよじれ、同時に水砲が消える!?
向こうアワセに、しっかりとSWING HOTが絡みつくのを待ち、手元に生じた明確な吸着感を追うようにスイープなフッキングを見舞えば、直後、背びれを見せながら浅瀬を横走り始める黒鯛の姿♪
なんとか目論見通り、i-WAKEでのミスバイトをSWING HOTへのルアーチェンジでフォローに成功し、したり顔でニッコニコになった釣り人なのでした♪
温暖化の影響で、日本列島全体が酷暑に見舞われるようになった昨今の夏。
釣り場に通い続けていると、年間を通して海水温の上昇による「海の南洋化」が着実に進行し、釣りモノの時期のズレや数の減少、それに魚種の変化等を感じます。
そういった変化の中で、黒鯛はとりわけ温暖な状況を好み、「河川内に涼みに来る」というよりは、渇水でぬるい状況くらいが高活性らしく、水面への反応が増す傾向で、トップゲームの楽しさと相まって、今後も益々夏の風物詩となっていくのでしょう♪
温暖化の影響によって、毎年各地で発生するようになってしまった大雨による水害は常に心配でありますが、自然相手に抗う事などできない事が自明な中で、無力な釣り人としては、変化しつつある釣り場環境に順応して精一杯楽しみつつ、その行方を見続けていたいと思います。
【使用タックル】
リール 3000番
ライン PE 1号 + ナイロン20lb