画期的な発想によってウエイトの可動抵抗を大幅に軽減し、圧倒的な飛距離と泳ぎ出しのレスポンス向上に成功した重心移動システム・LBO。先進性と独創性が2016年度のグッドデザインを受賞、釣り道具としてのみならず、優れた工業製品として広く認められたことは記憶に新しい。そのLBOシステムがさらなる進化を遂げ、LBOⅡとなって我々の前に姿を現した。
LBOシステムとは?
LBOとは、リニア・ベアリング・オシレーターの略。ボディ内部に設けられたレーン(溝)を球状のウエイトが移動する一般的な重心移動システムに対し、円筒状のウエイトがシャフト状を直線的に移動するというまったく新しい重心移動機構である。ウエイトの内部には無限循環運動する直径0.8mmのマイクロボールを88個配列して摩擦抵抗を大幅にカット。従来の重心移動の摩擦抵抗が0.1だったのに対して、0.01まで軽減した。
ウエイトの自重に運動エネルギーをプラス
LBOの優れた点はそれだけでなく、キャストの直前までこのウエイトが、ネオジム磁石によってフロントに固定されていることだ。そのためウエイトの自重のみならず、キャスト時の瞬時移動によって生じる運動エネルギーをも初速に加わり、強大なインパクトとなってルアーを弾き出す。ウエイトの自重と遠心力だけで飛ばしていた従来の重心移動と比較して、圧倒的な飛距離をマークする秘密である。
立ち上がりの速さも驚異的
さらに、ウエイトは着水後わずか3度の傾斜でフロントに戻り、ネオジム磁石がガッチリ固定。ただ飛ぶだけでなく、巻き始めからしっかり水をつかむためアクションエラーがなく、有効トレースゾーンを拡大。ヒットチャンスを逃さない。
初代LBOはマリンギャング、フラットバッカー、エルボーといったルアーに搭載され、発売されるや圧倒的な飛距離で数々の実績を打ち立てた。にもかかわらず、それから1年で新たな進化を求めたきっかけとはなんだったのか。
開発担当コメント
LBOは優れた機構だが搭載できるルアーのサイズに制限がありました。もっと小型のルアーにも搭載してほしいという要望があり、色々とを試行錯誤しました。
第2世代・LBOⅡはここが違う
①ユニットの小型化で搭載範囲が拡大
新しくなったLBOⅡは、初代LBOのロジックはそのままに、パイプ状のウエイトルームの内部をウエイトが移動する構造。LBOユニット自体が小型化されたことで、これまで物理的に搭載が不可能だった9cm以下の小型ルアーにも無理なく組み込むことが可能になった。
②デザインの自由度がアップ
コンパクトなユニットの開発によりルアー自体のデザインにも自由度が増し、スリムなフォルムを保ったままでLBOを搭載することができる。
③低重心化によりアクションが安定
低重心化できることでルアーアクションを安定させ、停止・浮上時の揺らぎアクションを発生しやすい。また重心が下方に集中することにより、ダイナミックでキレのあるアクションをいっそう演出しやすくなった。
開発担当コメント
2017年の新作KAGELOUをはじめ、X-80SW LBO、ONETEN LBOにLBOⅡを搭載予定。
カゲロウはフィールドテスターの久保田氏と誰もが使いやすい、対ランカーシーバス用ルアーを開発しようと企画がスタート。従来のシャローランナーはどうしてもアクションの立ち上がりが悪く、キャスト後ワンジャークを入れウエイトボールを後方から前方ルームに移動させる必要がありました。LBOⅡを搭載することにより着水後、糸ふけを取った段階でウエイトが前方に移動しアクションを開始。圧倒的な泳ぎ出しの良さとLBOならではの驚異的な飛距離を体感して下さい。
現在LBOを搭載したX-80SW 、ONETENを開発中。
今年の秋ごろには皆様にお届け出来ると思います。
最長飛距離20%UP、瞬時に泳ぎだす驚異のアクションレスポンス。
さらなる進化を遂げたLBOが、いままで獲れなかったあの魚を狙い撃つ!