湘南海岸や伊豆半島など、関東エリアの激戦区をホームグラウンドとしながらコンスタントな釣果を挙げ続ける久保田剛之氏。その久保田氏が、自らの釣りのベースとなる1本を求めてメガバスとタッグを組んだルアー、それがカゲロウ124Fである。秋のシーズンを前に発売となったカゲロウ、その開発コンセプトと圧倒的釣果の秘密を探ってみよう。
シャローの主軸となるルアー
首都圏に近く、シーバスアングラー憧れの一級フィールドであると同時に、フィッシングプレッシャーも最大級に高い湘南。そんな激戦区で久保田氏が掲げたコンセプトは“スレ切ったシーバスをしっかり獲っていけるルアー”。パイロットルアーにもなり、渋い状況下では魚にしっかりと口を使わせる切り札にもなる、そんなルアーである。もちろん、その効果は全国各地の釣り場で実証済みだ。
得意なレンジは水面直下
シャローランナーの主軸となるべく開発されたルアーゆえ、潜行深度は水面から30cm以内を想定。標準的なシーバスタックルを使用した場合、速く引いてもMAX20cm程度をキープする。既存ミノーのマリンギャングが1m~1.4m潜ることを考えると、いかに浅いかが分かるだろう。また、久保田氏はそれだけでなく、ハイフロートであることも条件に挙げた。「いくら潜行深度が浅くても、着水時に水中にダイブしてしまうのはNG。根掛かり多発地帯の浅場で結果を出すには、浮力の強いボディが理想なんです」
LBO II搭載で高いキャスタビリティを実現
サーフやリバーのシーバスゲームにおいては、飛距離も重要なポイントだ。しかしそれを重視するあまり、フローティングミノーが浮いていられるギリギリまでウェイトを入れれば理想の泳ぎが出なくなる。飛びと泳ぎ、どちらかひとつを取るなら“泳ぎ”だが、カゲロウは新開発の重心移動機構LBOⅡを搭載することで、泳ぎを損なうことなく異次元の飛距離と動き出しの速さを実現。着水地点からすぐに、シーバスの捕食対象としてのアクションを開始する。また重点が一点に集約されることで飛行姿勢が安定し、キャスティング精度の向上という副産物も生み出した。
波動で誘って動きで食わせる
カゲロウの特徴は大きく開いたダーターカップ。このカップが水流を左右に分け、強い波動と水押しでシーバスの側線を刺激し引き寄せる。しかし泳ぎそのものは微細なロールアクションを主体としており、近づいてきたシーバスに対してナチュラルにアピール。広く探るパイロット的な使い方も、喰わせの切り札的な使い方もできるのはこのためだ。
水流の変化を拾い、喰わせのタイミングをオートマチックに演出
カゲロウの優れたところはそれだけではない。微細なロールで泳ぎながらも、潮のヨレや流れの変化を受けると自然にバランスを崩し、オートマチックに喰わせの「間」を演出するのだ。これは本来、エキスパートが自らピンポイントを感じ取って加えていた動作だが、カゲロウはそれを自動的にやってのける。またルアーを通して伝わる変化も感じやすいため、さらなるワンアクションを加えてバイトを誘うことも可能である。実はこれも、ウェイトより動きを優先したことによる効果。自重が軽ければ軽いほど、水流の変化はダイレクトに伝わってくる。
誰もが納得するカラーラインナップ
「カラーについては初心者からベテランまで満足できるラインナップになったのではないでしょうか」と久保田氏が言うように、ホログラム仕様のリアル系からクリア系まで、必要なカラーパターンをまんべんなく網羅。あくまでも実戦重視のカラーラインナップとなっている。濁りの濃度や周囲のプレッシャーでそれらを使い分けるのが基本である。
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出しどころと使い分け
カゲロウの出しどころは、ほぼすべてと言っても過言ではない。シーバスを引き寄せる力が強く、食わせやすいスリムなシェイプは小型ベイトパターンにもマッチするため、条件を選ばないのだ。とくに、水深が浅く根掛かりが気になるポイントでは、カゲロウの独壇場になることも多いだろう。反対にシーバスのレンジが深い時や濁りが入った時のように、より強い動きが求められるシーンでは、マリンギャングをはじめとした通常のミノープラグが効果的。カゲロウを軸にレンジと動きを探ることで、さらなる釣果が望めるはずだ。
アクティブに釣行を重ねる久保田氏は、ブログや動画による情報発信も頻繁に行っている。本格的な秋のシーズンに向けて、そちらもぜひ参考にしてもらいたい。
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