スイムベイトというと、ソフト素材のビッグベイトやS字系のハードプラグを思い出すが、ここで取り上げるのは前者である。
メガバスのソフト系スイムベイトにはダークスリーパー、マグドラフト、マグスロウルの3種があり、それぞれにいくつかのサイズが設定されている。小さいもので3インチ、大きいものは10インチ。これらをどう使い分けていくのかをあらためてまとめてみよう。
アピールの強さはボリューム感と波動で決まる
一般に、ルアーはサイズが大きいほどバスに対する視覚的アピールも大きくなるが、同じボディサイズであっても、泳ぎのタイプと波動によって、いわゆる「強い」「弱い」という概念が出てくる。「強い」というのは水を大きく動かすことを意味し、上記3種のなかではボディ全体で水を撹拌するマグドラフトがそれに当たる。逆にテールのみで動きを演出するマグスロウルは「弱い」タイプ。小型のダークスリーパーは、3種のなかで最も低アピールであることは言うまでもない。どれが効くかはその時次第だが、喰わせを重視するならナチュラルな低波動タイプ、遠くにいるバスを呼びたいときほどアピール力の高いタイプ、というのが使い分けのセオリーだ。
マグドラフト&マグスロウルの使い方
マグドラフトとマグスロウルはよく似たルアーだが、その持ち味は大きく異なる。先行で開発されたマグドラフトに求めた機能は、
① マグホールド搭載 (ハリの存在をカモフラージュし、耐久性とフッキング率を向上)
② 低重心化(流れのなかでの直進安定性)
③ ファストリトリーブでのアクションの安定性 (流れのなかでも使用可能)
の3つ。アクションは限りなくローリングを抑えたウォブリングであり、一般的なスイムベイトよりもハイピッチなアクションに仕上がっている。対してマグスロウルは、マグドラフトをもってしても食わせきれない魚を釣るために開発。一言で言えば、マグドラフトが「動」のスイムベイトであるのに対し、マグスロウルはその名の通り「静」のスイムベイト。春先の低水温期など活性の低い状況で、マグドラの速い動きに反応しない魚をマグスロウルで釣っていくと良い。得意とするレンジはともに表層から水深2mくらいまでだが、流れのなかでも破綻しない泳ぎは、さらに深いレンジにいるビッグバスをも誘い出してしまう。
ダークスリーパーの使い方
ダークスリーパーは、ハゼの生態を研究し尽くしたルアー。
したがって、ボトムをズル引いたりリフト&フォールさせたりして、ヨシノボリなどハゼ系のベイトフィッシュの動きを演出するのがキモとなる。ボートゲーム等でバンクをダウンヒルに攻める場合は傾斜に沿って徐々に落としていくイメージ、オカッパリのようにアップヒルで攻めるならあたかもハゼが底を這って浅場に上がっていくような動きを再現する。
もちろん、スローなタダ巻きも効果的。ダークスリーパーは引いたときにややヘッドアップ気味になるよう設計されている。これもハゼの泳ぎを忠実に再現したものだが、同時に、岩や沈木などの障害物に当たったときにもスタックしにくい。ボトムがメインステージとなるダークスリーパーにとって、フックポイントをガードする背中のフィンとともに、根掛かり回避に欠かせないデザインとなっている。
そんなダークスリーパーには、オリジナルの3インチサイズに加えて3.8インチが追加ラインナップ。重さも3/8oz、1/2oz、3/4oz、1ozと揃って攻略範囲がいっそう広がった。マグドラフト、マグスロウルを使ったダイナミックなスイムベイティングと、ボトムを這わせるダークスリーパーの繊細なスイムベイティング。メガバスが提案する両極端な世界を楽しんでほしい。
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