構想から約2年に渡る開発期間の末、ようやく完成したソフトベイト「FUWABUG(フワバグ)」がいよいよ9月下旬~10月頃にデビューする。
礁楽シリーズの中でも異質なその形状は従来のホッグ系でもクロー系でもない、まさに“カニ”系。ボディ形状や大ボリュームのアームなど、こだわりが詰め込まれたフワバグについて、開発に携わった黒いタオルがトレードマークのメガバスプロスタッフ大塚涼奨氏に語ってもらった。
■ こだわり抜いたマテリアルとチューブ(中空)ボディ
まずこだわったのはマテリアルです。
フワバグのようないわゆる”ホッグ系”や”クロー系”のようなワームはバスフィッシング用などでも世の中に沢山ありますが、その中で明確に『ロックフィッシュ用ワーム』としての違いはなんなのか?と考え、マテリアルの硬さ(強さ)に重点を置いてみようと思いました。
というのもロックフィッシュでの使用はより過酷な状況となります。重たいシンカーを使用してフルキャスト、着水の衝撃も強い。根掛かりも多く、弾いて外してまたスタックして…を繰り返します。その他にはフグやベラなどの餌取りも多く、その度にズレたり千切れたり壊れたりしていてはストレスになります。そのためフワバグは少々カタめなマテリアルを採用しています。こうすることによってフワバグのような抵抗が大きいワームも壊れにくく、ズレにくくなります。リアルな蟹の食感という意味合いももちろんあります。
しかし、そうすると欠点が生まれます。硬くする=フッキングが悪い。ということ。これを解消するために中空(チューブ)形状となっています。気泡をホールドして水中で立ちやすかったり、気泡が出てアピールしたりと色んな効果があるかと思いますが、一番の狙いはフッキングの良さと、少々硬めのマテリアルの両立です。
チューブ部の長さや、厚さなどテストを繰り返して相反する要素の両立を可能としています。
■ 強烈な水押し!大ボリュームアーム
この大きなツメの部分となるパーツもこだわりました。
率直に言ってしまうと、あえて “動きづらく” しています。さっそくワケのわからない(?)ことを言っているように感じますが、とても重要な要素です。
フワバグのツメはかなり肉厚で重みを持たせており、さらにマテリアルも硬めとなると想像するだけでも動きにくそうなのが分かります。しかし、このボリュームのツメが動く際には強烈な水押しや波動を出します。
たとえばリフト&フォールのリフトの際だけバタバタバタっ!!と動き、カニやエビなどが逃げるときに水を蹴るようにアクションします。その後のカーブフォールはツメのアクションは止まってカニのシルエットを強調し、アクションも長い脚だけになります。まさに逃げて疲れて無防備にフォールする蟹…そんなイメージで作りました。
他にもボトムに着いた際にボヨンっとしたアクションや、倒れ込みの水押しも強烈にバイトを誘う要素となっております。
■わずかな水流で動くレッグパーツ
フワバグの一番の特徴である長い脚。これによって、まんまカニ!と思わせるようなシルエットとなりつつ、しっかりとワームとしてのアクションも考えられている重要なパーツです。こういったワームはいままでに無かったんじゃないかな?と思います。
おそらく千切れたり、壊れたりしやすいがために製品化が難しかったからではないかと思うのですが…この部分も硬めのマテリアルと中空ボディの組み合わせにより可能としています。
意味合い的には、もちろんより蟹に近付けて視覚的なマッチザベイトを狙っているのですがアクションもまんま蟹のような動きをしてくれます。長さや形状などこだわり、フォール時にはピリピリとハイピッチにアクションして、ズル引きではボトムの凹凸に合わせて艶かしく動きます。ほんの小さな小石に接触するだけで機敏に反応して動く様はまさにカニ!です。
■ ロックフィッシュを一網打尽!? 全10カラー
SOLID RED
BLACK BACK CLEAR RED
EBIMISO RED FLAKE
CLEAR HOLO
CLEAR PINK HOLO (※1)
CLEAR ORANGE/RAINBOW FLAKE
ORANGE BACK CHART
PEARL WHITE (※1)
CINNAMON BLUE FLAKE
MOEBI
※1 : 1.8inch、2.5inchのみのカラーです。
■ オススメタックルセッティング
・タックル例①(ベイト)
ロッド:礁楽 SL-811XXHC
リール:ハイギアベイトリール
ライン:フロロカーボン20lb~25lb
シンカー:18~36g
ルアー:FUWABUG 3.8inch
磯や大場所の堤防などで より大型のロックフィッシュ狙いに。
・タックル例②(スピニング)
ロッド:礁楽 SL-92HS
リール:スピニングリール3000番
ライン:PE1号 + リーダー 16lb.
シンカー:5~28g
ルアー:FUWABUG 2.8inch
堤防からのロングキャストや、 岸際をフィネスに。
■ ここは絶対押さえたいポイント
カニが多く潜む磯場や、堤防際、河口付近などで効果絶大です。
カニは種類も多く、どこにでもいるので大抵の場所ではマッチザベイトとなりますが、より多く生息しているポイントは磯や堤防際、河川が絡む場所。
磯では見える根周りへ撃ち込み、堤防など縦ストラクチャーではあえてシンカーを軽めにしてゆっくりとナチュラルにフォールさせると効果的。河口部では直リグやジグヘッドなどでズルズルして徘徊する蟹をイメージした動かし方をすると良いと思います。
■ノーマル使用だけじゃない、オススメチューニングスタイル
パーツが多い為にチューンして使うのも効果的です。
フォールスピードや飛距離を出すために、脚の本数を減らしたり、半分に千切ったりして使ってもOK。アームを千切って脚だけにするのも効果的。小さなカニやフナムシなどの虫にも見えるのか、裏ワザ的にめちゃ釣れます!
ツメが無くなってしまったからといって、捨ててしまわないように!
一年通して、個性豊かな魚種が狙えるロックフィッシュゲーム。
新たな武器として、“カニ”系ソフトベイト「FUWABUG」をぜひお試しください。