毎年思うことがあります。
「冬ってこんなに寒かったっけ?」
なんだかんだ毎年同じような気温なので、
例年通りの寒さのはずですが、
夏が来ると体がリセットされてしまう開発員です。
そんな寒い時期にもかかわらず、
季節外れの新たな「虫」が開発終盤を迎えております。
新たな「虫」とは、
みなさんお待ちかね(僕が待っていました)
SIGLETTのダウンサイジングモデル
「TINY SIGLETT」です。
以前から計画は出ていたのですが、
いろいろな諸問題があり、開発が遅れておりました。
まず問題となったのは、「浮力」の問題です。
単純にSIGLETTをダウンサイジングしたモデルを
試作・テストしてみたのですが、
なんとこれが浮きませんでした。(ウェイトなしの状況で…)
一番の原因はどう考えても「空気容量不足」。
羽根も浮く素材で出来ているのですが、
決定的にボディの浮力が足らないという結果になりました。
ボディの長さを長くしては小さくする意味がないと思ったので、
たどり着いたのが、ボディ本体の「肉厚」を薄くすること。
外形を変えずに、内部のオフセット量を増やし、
空気量を増やすことで浮力を確保することができました。
(基準が1.1mmに対して、0.8mm)
さらに、羽根の比率をSIGLETTよりも少し大きめにし、
さらなる浮力とハイレスポンスなアクションを生み出しました。
そして、羽根モノ(虫モノ?)の一番の課題である「フッキング率」。
「何としてもフックを2個付けたい!」と思っていたのですが、
フックを2個つけて浮くはずがありません。
(結構フックは重いんです)
しかし、思わぬ副産物として
「浮力の小ささ」がアイデアを生み出してくれました。
「フックをたくさんつけて引っかかる場所を増やす。」
という考え方から、
「しっかりと口の中に入れてあげる。」
という考え方へとシフトさせてくれました。
結果、フッキング率は上々。
小さな複数のウェイトでサウンドの追加と浮力の調整をし、
フック1つでも高確率でフッキングすることが出来ました。
苦戦を強いられた「TINY SIGLETT」ですが、
また冬を忘れる頃にはお届け出来るかと思いますので、
ぜひTINY SIGLETTのドキドキな釣りを楽しんでいただけたらと思います。