MEGABASS Engineering Team Blog Vol.125 | Megabass-メガバス

MEGABASS Engineering Team Blog Vol.125

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MEGADOG(前編)

 

 

暑さも一段落した今日この頃、シーバスフリークの皆様はいかがお過ごしでしょうか。今回のエンジニアリングブログは、秋のハイシーズンへ向けてそわそわし始めているアナタに贈る、刺激タップリのとあるルアーについてお話します。

 

 

●コンセプトは200mm超のドッグウォーカー

 

 

雑誌記事等ですでにメガドッグのド迫力ボディをご覧になった方も多いと思いますが、このルアーの狙いは、コノシロパターンをはじめとしたビッグベイト食いのモンスターを水面に誘い出して釣ることです。

 

リアルなコノシロは22~23cmから25cm、場合によっては30cmにも達しますが、モンスターはそれを苦もなく丸呑みにします。だからボディサイズは最低でも200mm。そこはどうしても譲れない条件でした。

 

ただし、デカければいいというものではありません。大切なのは、「すごくデカいけどドッグウォークをさせやすい」こと。大きさを感じさせず、スイスイと滑るような軽やかなドッグウォーク。イメージしたのはソルトでの実績も高いジャイアントドッグXです。

最初の試作もジャイアントドッグXをベースに220mmと250mmで設計したのですが、そのままスケールアップしたらとんでもなく重くなり、なんと200gを超えてしまいました。これではとても投げられないということでシェイプを詰めて、専用設計のボディを作り上げていきました。

 

ジャイアントドッグをベースにしたファーストプロトは220mmと250mm。オリジナルとはこんなに違う。

 

プロトの数は全体で十数本に上りますが、220mmというサイズ感はすぐに決まり、そのあとは変えていません。そこからあとのプロトは、よりきれいにドッグウォークさせるための形状とバランスの追求に費やしたという感じですね。サイズがデカくても、シェイプをスリムにしても、最終的な目標はジャイアントドッグXのヒラ打ちドッグウォークを継承することですから。

 

フェイスデザインは当初水押しの強い寸詰まり型だったが、ドッグウォークアクションのキレを追求した結果、鼻先の尖ったタイプへと変わっていった。

 

ちなみにウエイトはフック込みで130gになりましたが、このあたりがビッグベイト用のタックルで普通に投げられるギリギリの重さでしょう。後方重心でシルエット的にも空気抵抗が少なく、キャスティングしやすくなっています。

 

 

●ドッグX譲りの重心設計

メガドッグは固定重心です。そして、ドッグXシリーズの伝統としてシーソーバランサーと慣性バランサーを組み込んでいます。シーソーバランサーは前後の組み合わせで首を振りやすくし、慣性バランサーはボディ内部を左右に動いて首振りアクションをさらに出しやすくしています。これは初代のドッグXから採用している機構で、入力した時にウエイトが左右どちらかに動いてルアーが横を向き、次の入力で反対に移動してまた横を向く。これの繰り返しです。首を振りながらヒラを打つためトップウォータープラグでありながら明滅効果も期待でき、その際に魚から見たシルエットが細くなったり太くなったりする変化もバイトを誘発するきっかけになります。

 

 

ただ、使っているウエイトボールはボディサイズの割に小さいし、量も多くありません。一番大きいものでも10mmのボールです。なぜそれで足りるかというと、ボディ自体を頑丈に作っているのでABS樹脂に厚みがあり、ヘッドからテールまで全体に走っている構造線に貫通ワイヤーとスイベルが入っていて、さらにそれを支えるABS樹脂の構造でかなりのウエイトを稼いでいます。それらの構造や、パーツを含めた重心設計でスムーズなドッグウォークアクションを実現しています。

 

 

●なぜドッグウォークなのか?

最近のソルト系ペンシルは、青物ブームもあってダイビングタイプがほとんど。浮き姿勢も直立タイプが多いですよね。でもシーバスにはドッグウォーク系のほうが効くので、メガドッグはそこにこだわりました。浮き姿勢はほぼ水平で、フックの重さの分だけテールが下がる程度に設定してあります。これもメガドッグのキモのひとつです。

また、首を振る際に軽いスプラッシュを演出する目的で、マウスが半開きになっています。これがピチャッ、ピチャッというナチュラルなスプラッシュとサウンドを発し、ルアー自体の動きにブレーキをかけない範囲でシーバスにアピールします。

 

 

いずれにしてもルアーの動きは軽やかで、ハイギアのリールならばハンドルをグルン、グルンと回すだけで足の長いスケーティングを演出することが可能です。この大きさでこんな軽やかに動くということに、きっと驚かれると思います。

 

 

 

●推奨タックルはベイトタイプ

タックルはベイトタイプが絶対に有利です。その理由はリールでアクションさせやすいこと。大型のスピニングリールでもできなくはないですが、長いシングルハンドルだとやりにくさを感じるかもしれません。ハイギアのベイトリールならいっそう負担が少なく、アクションをつけやすいと思います。リールのサイズはバスのビッグベイト用を選んでもらえば大丈夫でしょう。ラインはPEの3~5号、リーダーは50ポンドというのが標準です。

ロッドはF7以上のパワーがあるものが理想ですね。投げ方やロッドのトルクにもよりますが、ゆっくりとしたテイクバックで、ルアーのウエイトを乗せて投げる感じがベターです。あまりガチガチの棒のようなロッドはNGですが、ビッグベイト用と謳っているロッドなら概ねOKです。あまり長いとボート上での取り回しが悪くなるので、長くても7フィート半までがいいですね。

 

 

●モンスター対応の頑丈設計

先ほど頑丈という話が出ましたが、コノシロパターンではモンスターシーバス以外にブリ等の青物もしばしばヒットするため、何が来ても負けないようにボディはかなり頑丈に作ってあります。内部構造も貫通ワイヤーに耐荷重200kgのスイベルを入れ、ひねりに対してのバレにくさと強度を向上。シーバス用ペンシルとしては間違いなくオーバースペックな造りですが、それゆえこのルアーが魚によって破壊されることはまず考えられません。

 

 

フックもこのルアー専用の特注品です。シーバスと青物、両方の可能性を想定した場合、シーバス用の細軸フックでは強度が不足し、青物用の太軸では太すぎて貫通しにくいというのがコノシロパターンの難しいところですよね。そこで青物用として定評のあるフックよりも細く、シーバス用のフックよりも高強度のフックに海水対応の防錆コーティングを施したものを特注。貫通力に優れ、10㎏クラスの青物が来ても安心なフックを標準装備しました。

 

またスプリットリングはダブル仕様。これはテストの結果、リング1個より圧倒的に乗りが良かったから。フックのぶら下がりの距離が短いと、シーバスがアタックしてきたときにボディがフッキングの邪魔をすることがあるんですね。ところがリングを2個にして距離をとると、フッキング率が明らかに高くなる。いままでのルアーだと、Iスライド262Tもリング2個の仕様です。

 

貫通ワイヤーに耐荷重200kgのスイベル、専用フックを装備。

 

ということで今回はここまで。次回はメガドッグのカラーバリエーションについてお話します。

 

 

※ 記事中のMEGADOGの画像はプロトモデルです。

 

 

 

 

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