MEGABASS Engineering Team Blog Vol.61 | Megabass-メガバス

MEGABASS Engineering Team Blog Vol.61

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フィッシングショーも間近となり、新製品の発表やシーズンインに向けて今年も少しづつ賑わいを見せてきました。

プリスポーンの魚が狙える日も、そう遠くはありません。

そこで今回、完成したのは、スーパースローシンキング設計バイブレーション『フェルマータ』です。

 

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春のシャロー攻略で欠かせないルアーがクランクベイトとバイブレーション。

ハードボトムに強いクランクベイトと、シャローフラットに強いバイブレーションです。

クランクベイトは深度やアクションでのローテーションが一般的で、浮かせたりストラクチャーに絡ませたりと言ったテクニックによる使い分けや応用で色々な魚を攻略可能なルアーです。

一方、バイブレーションはというと、サウンドのローテーションは多くのアングラーが行っていますが、その他のテクニックや使い分けが難しいルアーで、基本ただ巻くだけのルアーです。

もちろん、ただ巻くだけで魚が釣れるというのは大きなメリットですが、他のアングラーと差をつけにくいという側面も同時に持ち合わせています。

またバイブレーションのほぼ全てがシンキングモデルであるため、リトリーブスピードを制約され、一定スピード以上で巻き続けなければいけないという一面もあります。

 

そこで、バイブレーションのサーチ能力の高さと、集魚力の高さはそのままに、リトリーブ速度に幅を持たせ(特にスロー方向)、時には止めることができるスーパースローシンキングのバイブレーションはなぜ市場に存在しないのだろう?と疑問に感じ、開発部とテスターで協力しながら開発がスタートしました。

 

最初はまず、完全なサスペンド仕様での試作を行いましたが、すぐにいくつかの問題点が見えてきました。

・遠投性能

・直進安定性

・泳ぎ出し

といったバイブレーションの長所がことごとく失われ、開発初期段階はストレスの溜まるようなルアーしか作り出せませんでした。

 

そこでスローリトリーブが可能で、止めることもできる範囲内でのスーパースローシンキングに仕様を変更させることと、ヘッド形状に少しのフラットを持たせ揚力を持たせることにより、遠投性能と直進安定性を保ちながら一定レンジのシャローを引いてくることができる設定を生み出せるよう、試作を続けました。

 

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フェルマータのテストを実施していたのは1m未満のシャローしかないような野池や、ウィドーフラットのシャロー。

特に琵琶湖に代表されるようなウィードレイクでは、冒頭で記したようにバイブレーションは春先、非常に有効なルアーである反面、一定水温を超えシャローにウィードが繁茂し始めると同時に使用状況が激減するルアーでした。

フェルマータのプロトモデルでは、今までスピナーベイトやチャターベイトのようなスナッグレス性の高いルアーしか引けなかった、ハイシーズンのシャローをストレスなくリトリーブできるかどうかのテストも繰り返し行い、使い易さも重視する仕様となっています。

根掛かりの多いようなフィールドや野池で、広範囲をサーチしたいけど通常のバイブレーションではロストが怖いといった場面でもフェルマータの出番となります。

 

唯一無二の存在のフェルマータ。今シーズン、今までバイブレーションでは躊躇していたようなフィールドでぜひ試してみてください。

 

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