S-CRANKとは? Vol.1 (T-010)
プロジェクトSTWからリリースする「S-CRANK」の、誕生秘話から、製品のこだわりなどを、ご紹介します。
第1話 「きっかけはハンドメイド」
アメリカのトーナメントにおいて、必ずと言っていいほど必要なルアーがクランクベイトである。
そのクランクベイトの中でも、使用頻度が高く、多くのウイニングルアーとなっているのが、スクエアビルシャロークランク。
一般的にスクエアビルのクランクベイトは、文字通りリップがスクエア形状をしており、その恩恵は障害物回避性能といわれている。
メガバスが、MOAプロスタッフのため、勝つことを追求し、形にするプロジェクト、STWがスタートして、早2年。
スタート当初、プロスタッフのリクエストがあったのが、スクエアビルシャロークランクである。
あるプロスタッフがハンドメイドで作っていたクランクベイトだが、なぜか一つだけアイスライドのようなS字軌道を描きながら、ウォブリングするクランクがある。
この、普通のクランクのアクションにS字軌道をプラスしたアクションは、本人は狙って作ったわけではなく、偶然の産物として、出来上がったわけである。
ただ、「これが、よく釣れる。」と。
沢山ハンドメイドで作っても、そのアクションが出るのは、1個か2個。
「この、アクションを再現してくれ!」
それが、全ての始まりでした。
そのS字軌道を描くアクションに半信半疑だったが、とにかく現物を見て、投げてみないとわからないということで、数少ない現物を日本に送ってもらった。
現物は、バルサで作られた雑な、いや実にアメリカンな雰囲気が漂うクランクだった。
バルサかよ。これを、ABSのインジェクションで再現しろと…。とにかく、投げてみる。
たしかに、S字軌道でアクションする。
しかし、何か不自然で、偶然の産物感が半端なかった。
とにかく、そのクランクをスキャンし、データを作る。
ファーストプロトは、単純にスキャンした、瓜二つのインジェクションタイプだった。
しかし、全くもって結果がでない。
まぁ、ルアー作りなんて、そんな簡単にいくものではない。
そこからの試行錯誤は、長い道のりで、実に2年の歳月を要して、ようやく納得のいくアクションを出せることとなった。
実に長かった開発期間だが、S字軌道のアクションを引き出しているキモを理解できてからは、本当にトントン拍子で開発がすすんだ。
というわけもなく、そのキモを理解し、クランクの形状にそのキノを取り入れてからが実に長く、コンマ何ミリの世界の微調整で、アクションが劇的に良くもなり、悪くなった。
程遠い作業だが、全く経験したことがない形状だったため、ただただ数をこなして、答えを出す作業が続いた。
そんな試行錯誤があり、何度も海を渡ったS-CRANKのプロトタイプは、アメリカのフィールドの上で何度も一喜一憂し、2年の歳月をかけようやく完成した。
ようやく完成したS-CRANKだが、ではどこに、S字軌道を生み出すキモがあるのか。
そこは、次回にとっておきましょう。
S-CRANK Products Page
http://www.megabass.co.jp/site/products/s-crank/