ウイニングルアーはフラップスラップ!エドウィン・エバース、2016バスマスタークラシックを制覇! | Megabass-メガバス

ウイニングルアーはフラップスラップ!
エドウィン・エバース、2016バスマスタークラシックを制覇!

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S.T.W.(Support to Win)。それはメガバスとUSAプロチームがタッグを組んで「勝利」の2文字を追い求めるプロジェクト。戦いの場は、世界最高峰のバスフィッシングトーナメント『バスマスタークラシック』である。そのバスマスタークラシックにおいて2016年、エドウィン・エバースがついに優勝の栄冠を勝ち取った。エドウィン自身はもちろん、メガバスにとっても非常に大きな一歩となったこの記念すべき勝利を振り返ってみよう。

 

 

2013年 プロジェクト始動

 バスマスタークラシックとは、単なる釣り大会とは一線を画す世界最高峰のスポーツフィッシングトーナメント。世界各国から集まる選ばれしコンペティターは、アングラーというよりトップアスリートに近い存在であり、ここで勝つためにすべてを賭けて闘う勝負師でもある。

 

このビッグイベントに向けて、メガバスが壮大なプロジェクトを始動したのは2013年のこと。プロローグとして現地に新法人を設立すると同時にTEAM MEGABASSを立ち上げ、前後して日本の開発陣が渡米。たび重なるミーティングを通じて意思の疎通を図り、言葉や習慣の壁を越えて「本気でバスマスタークラシックを勝つための決意」を確認し合った。

 

2014年、2年間の熟成を経て完成したルアー・コードネームMSC01(後のS-CRANK)を引っ提げ参戦したクラシックでは、プラクティスから快進撃を続けたものの最終日にフィールドコンディションが一変。エドウィン・エバースの3位を最上位に惜しくも優勝を逃したが、その結果は意義があり、十分な手応えを感じるものだった。

 

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あれから2年、さる3月4日~6日にオクラホマ州のグランドレイクで開催された『バスマスタークラシック2016』で、メガバスはついに勝利を手中にしたのである。殊勲の主は、2年前にあと一歩で涙を飲み、エリートシリーズでは同じメガバスのチームメイトであったアーロン・マーティンスにチャンピオンの座を阻まれたエドウィン・エバース。ウイニングルアーは彼のフェイバリットであるフラップスラップだ。大会最終日に29lbオーバーの成績を叩き出しての逆転優勝は、あの日の立場さえも逆転する、まさにリベンジと呼ぶにふさわしい快挙である。

 

皆さんは覚えているだろうか。あの日、3位に甘んじたエドウィンが語ったコメントを。彼はメガバスのスタッフに「ベストを尽くしたけれど勝てなかった。ソーリー」と謝るとともに「僕もコンディションの急変には悩まされたよ。プラクティスではMSC01でシャローの魚をたくさんキャッチ出来たのに、本番では魚がいなくなってしまったのだから。でもフラップスラップを持っていたおかげで、なんとかフォローできたんだ」と言っていた。

 

そう、あのクラシックにおいて苦境のエドウィンを支えたフラップスラップが今回も彼を助け、優勝という最高の栄誉をもたらしたのだ。なんというドラマチックな勝利。トッププロがひとつのルアーにすべてを託し、自らの経験と技術を惜しげもなく注ぎ込んでタフなトーナメントを戦い抜く。これは、ルアーに対する100%の信頼がなければ到底成し得ないことだろう。

 

STWのプロジェクトを通じて本場アメリカのトッププロの「信頼」を手にしたことは、メガバスにとってある意味勝利よりも大きな勲章と言えるかもしれない。決してビジネスライクな付き合いではなく、メガバスルアーに本気で惚れ込んで使い続け、勝利という最高の結果でその想いを返してくれたのだから。

 

しかしもちろん、メガバスはこれで満足したわけではない。この勝利はむしろ、さらなる闘いに身を置くことへの新たなプロローグとなるだろう。なぜならメガバスは、昨日までのMEGABASSを超えることを常に課せられた、あくなき挑戦者なのだから。

 

次の勝利へ向けて、すでに新たなプロジェクトは動き出している。STWから生まれた「MSC01」の改良型はS-CRANKとなって世に送り出され、今年は勝つためのペンシルベイト・DOG-X DIAMANTEもデビューを果たした。それらの名とともに、STWの成果が再び語られる日も遠くないはずだ。

 

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ステイ直後の動きがバスの捕食本能を刺激。伊東由樹が語るFLAP SLAP

  では、今回エドウィンに勝利をもたらしたフラップスラップとはどのようなルアーなのか? メガバスブランドのトップカテゴリーとして展開するI.T.O.エンジニアリングによって生まれたフラップスラップ、その特徴を簡潔に言えば「タイトでハイピッチなローリングと、それによって起きる強烈な明滅効果が特徴のリアル系フラットサイドクランク」。そしてこのルアーの使い方の一例を、デザイナーの伊東由樹自身が語った。

 

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「(フラップスラップのような)フラットサイドクランクは春に強いという定説があります。でもこれは単純にフラッシングが強く、水を強く押すからという理由ではない。むしろ、ファットタイプのようにダイナミックに水を動かすのではなく、“ハッキリと、かつ不規則に明滅させる”ことが大事であって、そのための必然的な形状なんです。だから、フラットサイドでも不規則なペンデュラムアクションが出ないものは、ボクはあまり使いません。動きはよりタイトで、ボディを高速かつ鋭角に倒れ込ませ、なおかつリトリーブの緩急にダイレクトに呼応してアクションを変化させるペンデュラムアクションのシャッド。それをハイピッチで演じるルアーこそが最強のフラットサイドクランクとなるのです。

フラップスラップの基本的な使い方は、『一瞬のポーズを入れたスローリトリーブ』。そもそもフラップスラップは、フラットサイドでありながら超ハイピッチ・ローリングを生むことをコンセプトに開発され、それを独自のクランクシャフトバランサー・システムによって実現させています。さらにこのルアーは『何かに当てなくても変則的な明滅を生みだして誘うことが可能』な点が大きな特徴。よってリトリーブスピードは、ルアーがきちんとアクションする限界のスローリトリーブが基準となります。そしてそこに、動きの変化とバイトのきっかけを与えるために、一瞬のステイを入れるのです。

ステイの目安は最大でも2秒。全体は低重心ながら、テール部分が高重心なシャフトバランサーシステムのため、このルアーはちょっとしたことでバランスを崩します。それがハイピッチロールを生む原理であり、ステイさせた直後には“起き上がりこぼし”の原理で一瞬、パタパタと倒れ込む動きを出す。この動きがバスにバイトのきっかけを与える最大のキモ。よってバイトは、必然的にステイからの動き出しの瞬間に出ることが多くなります。またフラップスラップは、ステイさせた直後、ライズアップしたように上を向きますが、これも重要なキモで、バスの目線から上方向に逃げようとするルアーの動きが捕食本能を激しく刺激します。スローリトリーブで存在をアピールし、一瞬のステイで食わせる。フラップスラップはそれが可能なルアーなのです」。

 

トップアスリートのタクティクスと、それをサポートし、より良い形で具現化するメガバステクノロジー。STWのプロジェクトはもとより、I.T.O.エンジニアリングの最先端理論をも総動員した“オールメガバス”の取り組み。それこそが「本気でバスマスタークラシックを戦い、そして勝つ!」という共通のベクトルを加速させ、さらなるステージへと引き上げるのだ。今回、文字通りオールメガバスを背に闘い、勝利をもぎ取ったエドウィン。その熱い想いは、今後も偉大な勝利へと向かう原動力となっていくことだろう。