最善ではあっても絶対ではない ・・・ ~ GREAT HUNTING FlatSide ~ | Megabass-メガバス

FRESH VOICE

最善ではあっても絶対ではない ・・・ ~ GREAT HUNTING FlatSide ~

市井に漂うコロナウイルスの
見えざる恐怖を避けるように・・・
独り人気の無い山中へ隠れ入る。

車を停め、身支度をしていると、
「 カサカサ ・・・ 」 と落ち葉を割る
踏み音が聞こえ ・・・
感じる違和感に周囲を見回せば、
木の陰からカモシカに凝視されていた ・・・ (笑)

ニホンカモシカは、「シカ」とは名乗るが、
シカ科ではなく、実はウシ科とのことで、
それ故に、おっとりしているのか ?
はたまた天然記念物としての余裕なのか ? (笑)

シカの場合、一目散に逃げだし
距離をとられるものだが ・・・
カモシカは、たいてい逃げもせず、
逆に、しばしコチラを観察してくる。

そんなカモシカの目には、
シカの弱々しく優しい目とは異なり、
どこか人を見透かし、諭すような ・・・

上から目線が感じられて ・・・ (爆)

カモシカ 「 今は外出自粛ではないのかい ? 」

私 「 人の居ない山中なら絶対大丈夫っす ! 」

カモシカ 「 この世に絶対なんてあるのかね ・・・」

カモシカの哀れむような視線で
膨らんだ妄想から
逃げるように渓へと下りれば ・・・

こんな私を澄んだ流れが迎えてくれて ♪

急な人影に驚いた魚影が走り、
「 スッ 」 と岩陰に消える様を見れば ・・・

コロナの存在も、勝手な妄想も
一緒に消え失せ ・・・
一瞬で気持ちは高揚する ♪

さすれば流れにミノーを
撃ち込んでいくわけだが ・・・

様子伺いがてら、手始めに投げた
GH45FS のワカサギカラーは、
強いフラッシングが嫌われるらしく、
なんだか魚に避けられてしまい ・・・

微調整がてら、少々フラッシングを鈍らせた
匠イワナにて魚の機嫌を伺ってみる ・・・

釣り上りつつ、淵々に GH45FS
撃ち込むも、魚のチェイスは見られない ・・・

得られる反応は、ことごとく
岩陰や落ち込みの泡下等の
怪しい物陰をタイトに通した際の一撃で ・・・

狙いのピンポイントに GH45FS を届けて
一発のトゥイッチ・アクションでバイトさせる感じ。

堰堤下のような、ミノーをチェイスし放題な
広いポイントでも、
そのスペースは意味を持たず ・・・

とにかく岩陰・泡陰に対してタイトに !

静かに水没岩のエグレに届けた GH45FS に、
鞭を入れるように単発トゥイッチを入れ、
ヒラリと踊らせたところ ・・・

エグレから突如 ! ?
黒い影が 「 ヌルッ ! 」 と現れ ・・・
高速で GH45FS にタッチ !

そこへ間髪入れずに、フッキングを見舞う !

水温の関係で低活性なのか、
目視にて反射的なフッキングを撃ち込まないと、
ミノーとの接触感だけを残した
キスバイトになるばかりで、
なかなか針掛かりしないのだが ・・・

この日は、そんな状況を見越して
フッキングのラグを減らす為、
トラウト相手には絶妙に硬めとなる
懐かしき デストロイヤー F1-61XS を
久々に持ち込んでいたのが功を奏した ♪

堰堤直下で泡立ち、
グシャグシャとした状況には ・・・

ジグでも撃ち込むかのように
GH45FS をピッチングで泡の中へ送り込み、
すぐさまワン・トゥイッチ加えて、
泡下から逃げ出すような
「 点 」 の釣りを丁寧に刻めば ・・・

つんのめるように泡から飛び出し、
急停止した GH45FS に ・・・

ワンテンポ遅れて、
黒い影が覆い被さり ・・・

そこへ間髪入れずに、
フッキングを叩き込むという流れ ♪

パターンは理解できた !

この日のキーワードは 「タイト」 !

魚が物陰から離れることを、
かなり嫌っているらしいので、
とにかくタイトに !

誘いのトゥイッチも乱射せず単発に止め、
ミノーの移動を最小限に抑え、
魚の短い捕食射程距離に収めること !

これが最善らしい ♪

パターンを守りつつ
深さのある堰堤下の淵にて、
流れに任せて GH45FS
対岸奥の岩陰に送り込み、
「 ここぞ ! 」 という怪しい位置で、
点々とトゥイッチを見舞うが無反応 ・・・

早速パターン崩壊かと焦るも、
今日一番の深さのあるポイントに

レンジを怪しみ ・・・

ルアーケースより取り出したるは ・・・
当然ウェイト増の GH50FS !

できればカラーも匠イワナに
したいところだったのだが ・・・
この日ケースの中にいた匠イワナの GH50FS
何故かフローティングで ・・・ (爆)

急遽 M レッドストリーム が代わりに登板 !

カラーに一抹の不安を覚えながらキャストするも
増した重量のおかげで、
狙い通り一段下の層へと流されつつ、
沈下しつつ到達すれば ・・・

流れに任せて、そのまま流し込んだ壁際にて
繰り出したワン・トゥイッチに、
薄暗い水中で 「 キラッ ! 」 と一瞬震えるように
フラッシングした GH50FS が消し込む ! ?

反射的に、すぐさまロッドを煽れば、
ラインの先に重量感が生まれ ・・・

ギラギラと水中で光りながら
暴れ抵抗する魚の姿に、
「 シテヤッタリ ! 」 の快感を覚える ♪

確立した絶対のパターンを携え釣り上り、
点々と小型のイワナの釣果を追加しつつ、
辿り着いた本日最後の堰堤 ♪

めぼしい変化の少ない堰堤だった為、
堰堤壁際の泡陰を怪しみ ・・・
パターン通りに壁際の泡下に GH50FS
通したファーストキャスト ・・・

どの位置も怪しすぎて、
ワン・トゥイッチに収めるわけにもいかず、
泡下に送り込んだ GH50FS
勘で時折トゥイッチを加え、誘いをかける ・・・

壁際べったりを通していることで、
いわゆる物陰・泡陰から距離が開いて
いるわけではない為、なんとなしに
魚に警戒される可能性は低く抑えられる
ような気がしていたのだが ・・・

結局アタリは無く ・・・

流れに押された GH50FS
いよいよ泡陰を離れ、その姿を晒す。

期待外れの最後を味わいつつ ・・・
オープンスペースで 「 チャッ ♪ チャッ ♪ 」 と
気晴らしのトゥイッチを2発ほど繰り出し、
GH50FS を踊らせた時だった ・・・

視界奥の堰堤泡下 ・・・
まっ茶色の長い魚体が突如飛び出し、

踊る GH50FS に突撃 ! ?

大きく口を開けながら、左右にブレる
GH50FS に合わせ、急制動を繰り返す ! ?

突然の想定外のチェイスに緊張するも ・・・
この興奮度合いなら、食わせの間をとれば、
向こう合わせで乗るだろうと、
繰り出した一瞬のポーズに ・・・

カツン ! ?

フッキングを見舞う間も無く、
強烈な衝突感を残してミスバイト ・・・

「 これはマズい ・・・ 」 と青くなりつつ、
アクションを止めて見切られてはダメだと
引き続き GH50FS を踊らせるも ・・・

一瞬の接触で、一気に冷静さを取り戻した
尺越えのイワナは、その場に停止 ・・・
しばし 蠢き続ける GH50FS
じっくりと眺めた後、ゆっくりと反転、
元の泡陰に戻っていったのでした ・・・

絶対などないのだよ ・・・ 」
絶対などないのだよ ・・・ 」
絶対などないのだよ ・・・ 」

頭の中で繰り替えされる声 ・・・

こだまでしょうか ?

いいえ、カモシカです ・・・ (苦)

再生され始める妄想を振り払うが為 ・・・

「 この ・・・ 下手くそぉ ~ ! ! 」

と、独り誰も居ない山中で叫ぶのでした ・・・

今回の使用タックル

ロッド : DESTROYER (フェイズ1) F1-61XS
リール : シマノ 2000
ルアー : GREAT HUNTING 45 Flat Side FS ( TAKUMI IWANA )
     GREAT HUNTING 50 Flat Side FS ( M RED STREAM )
ライン : PE 0.6号 + フロロ 4lb