表層直下の攻略はクリアリザーバーではもちろんのこと、川のフィールド、野池、そして最近は琵琶湖でも、ビックバスをキャッチする重要な位置づけとなっている。トーナメントにおいても、表層直下攻略がキーワードになるウイニングパターンは多い。
しかし、ベイトフィッシュを追ってバスがボイルを起こすが、トップウオーターでは出切らない、スローなワーミングでは見切ってしまい一切反応しない、あるいは他のアプローチでチェイスはあるもののフックアップに至らない、ハイプレッシャー化している日本のバスフィールドではしばしそういう状況に出くわしてしまう。攻略したいが難しい、それが表層直下攻略だ。
そういったシーンで今年これまで活躍しているのは、リリースされたばかりのMegabass KARASHIだ。
このルアーは表層直下のバスをバイトまで持ち込むことができる+αのアクションが大きな特徴だ。そのひとつはトゥイッチで起こる軽快な水中ドッグウォーク&ダートアクション。リップのあるミノーとは違い、アクションの開始時は軽い力で水を抜けるように動きを開始し、止めた瞬間にピタっと止まるのではなく、一瞬アクションが抜けるような感じでヨタヨタと止まる。それを繰り返すドッグウォーク&ダートアクションは、強い水流を出してバスを寄せるのではなく、柔らかな水押しにしか反応しない小難しいバスにとても効果がある。
そして、スローリトリーブをすればデッドリーベイトを彷彿させるi字系アクションになる。ストラクチャーの陰や、下にバスが潜んでいるであろう表層付近を引いてやると、狙いを定めたビッグバスがチェイスしてくる。私はギア比 5.6:1のベイトリールで1回転・2.5秒くらいのスピードで巻いている。i字アクションのコツはとにかくゆっくりと巻くこと。ラインの重みや風でルアーが横に流れていかないようなコース取りで狙うことだ。後ろから追跡してきたバスがなかなか口を使わないときは、少しスピードをアップさせてやるか、軽くトゥイッチを入れてやり、水中ドッグウォーク&ダートアクションに切り替えてスイッチを入れてやることもできる。
トゥイッチ、i字アクション以外にもう1つ、このルアーにフォールという使い方もある。
ハードルアーには珍しいパターンだ。まるでノーシンカーワームを落とすようにキャスト後に沈めていくだけでバイトが得られることがあるのだ。先日も池原ダムで岩盤にフォールさせたKARASHIを奪い合いの末、1匹のロクマルが丸呑みにしていった。
池原のこのサイズのバスは人慣れしていて簡単に口を使うターゲットではない。それが奪い合いであったことは衝撃的だった。フォールは落としながらストラクチャーにコンタクトさせてやり、カレントのある所ではドリフト気味に流してやるというのもアリだろう。
6月中旬に行われた陸王モバイル・芦田川水系戦では、三川ダムバックウォーターの流れにドリフトさせてからの素早いドッグウォーク&ダートアクションで普段から多くのアングラーが入り、超ハイプレッシャーな場所であるにもかかわらず、次々にオカッパリから多くのバスをキャッチし、この勝負を勝ち切ることができた。
3種類のアクションを組み合わせれば、他にも様々な状況に対応した食わせのバリエーションが生まれるだろう。
このルアーはスプーキーなビッグフィッシュでも、迷わず口にしてしまう一口サイズに加え、リアルなカラーバリエーションを備えていることも強い。そしてミノー、ペンシルベイトなど、あらゆるベイトタックルで使用可能な同サイズのルアーたちと比べ、群を抜いて飛距離が出せることも大きなアドバンテージである。7月に入り桧原湖ではオカッパリを行ったが、普段は届かないような遠方のボイルをKARASHIでロングディスタンスから直撃。爽快なオカッパリゲームを楽しむことができた。
飛距離はオカッパリからはもちろんのこと、ボートでも大きな武器となる。
デビューから強烈に戦力に加わっているKARASHI。
今後も超一軍エースルアーとして期待していることは間違いない。