1999年の発売以降、国内ルアーの定番として定着しているX-80シリーズ。
ソルトウォーターでも発売後20年近くたった今なお、色褪せることなく多くのアングラーに支持されている数少ないミノーです。
そんなX-80シリーズを今回は追加モデルを含め、掘り下げていってみようと思います。
多くのアングラーがご存知の通り、X-80TD(ブラックバス用、トリックダーター)は1999年にデビューしています。今から18年前です。
X-80TDから遅れること数か月。
満を持してX-80SWがデビューしました。
当時はまだナイロンラインでシーバスを狙っていたアングラーも少なくなく、小型ミノーといえばラパラのCD7やCD9が主流だった時代です。
奇数全長のミノーが多かった当時、8cmという偶数全長のミノーというだけで珍しかった時代です。
そんなX-80SWの凄さにいち早く気付いたアングラーが当時メガバススタッフでもあった村岡昌憲氏(現BlueBlue代表)でした。
当時の村岡氏、ロッドは出たばかりのデストロイヤー(バスロッド)。
何よりも村岡氏が当時提唱していたのはX-80SWの『脱軌道アクション』でした。
X-80SWは良く飛び、良く動くミノーですが、ストレートリトリーブ中の軌道がズレる(脱軌道する)ミノーです。
それまでのシーバス用ミノーと違い、リップにカップが掘ってあるため大きなウォブリングアクションをするのですが、ルアーを引いてくる軌道がリトリーブ中に右へ左へと変化します。
これがシーバスのバイトトリガーとなり、X-80SWは全国的に多くのアングラーのボックスに欠かせないルアーとなります。
しかし、X-80SWには1つだけ欠点がありました。
それは脱起動するがゆえに、流れの中でのファーストリトリーブに弱いという点でした。
脱軌道とは裏を返せば僅かにではありますがバランスを崩しているということです。
もちろんX-80SWはそれを狙って出すためにセッティングされているルアーではありますが、急流域でのゴリ巻きには不向きでした。
そこでX-80SWの良さを損なわずに、急流域での安定感を増すために固定重心化したX-80BEAT SWが追加でラインナップされました。
このX-80BEAT SWの特性を最も生かせる釣り場の一つがメガバスの地元、浜名湖でした。
浜名湖は汽水域のため、潮の干満で発生する流れが強くその中を安定して引けるミノーはほとんど存在していませんでした。
そこで元々、X-80SWを愛用していた黒田健史氏がより流れに強いX-80BEAT SWを使い、今までは攻略不可と思われていた浜名湖の流れの中に潜むランカーシーバスを次々とキャッチし、X-80BEAT SWは一気に定着しました。
今でも浜名湖ではX-80SW以上の人気がX-80BEAT SWにはあります。
そして、その後X-80シリーズには様々なモデルが追加されていきます・・・。
Episode.2へ続く。
X-80SW
http://www.megabass.co.jp/site/products/x-80sw/
X-80BEAT SW
http://www.megabass.co.jp/site/products/x-80beat-sw/