どこだ?どこに頂いたコメントだったのか見つからなくなってしまったんですが・・・
『ルアーを作る時に飛距離をどのように考えているか?』
という内容の質問コメントを頂きました。
ごめんなさいm(_ _)m
仕事に追われて返信出来ていないままになっていました。
ご質問頂いたのは覚えているのでせっかくなのでこの場を借りて書いてみます@@
■ ルアーの飛距離を考える ■
端的に書くと『飛距離は出るにこしたことはない』。でも『飛距離が全てではない』です。
当たり前ですけどね(笑)
ボイルが遠くで起こっている。満潮時でも遠くのブレイクに届く。
こういう状況では飛距離が出れば泳ぎは二の次で食ってくるかもしれない。
こういう状況を想定して作られたルアーをタックルボックスに1つは入れておきたいところです。
ただ多くの方が考えている様にこれが全てではありません。
もし飛距離が全てを解決してくれるならメタルジグだけで事足ります。
当然そんな訳にはいかず、フローティングルアーでゆっくりと誘わないと食って来ない状況も。
いや昨今のフィールド状況ではそちらの状況の方が多いかもしれません。
ではフローティングルアーを作っていきましょう。
ルアーが浮く範囲でどれだけの飛距離を目指すのか?
飛距離に影響する項目としては・・・
① 比重
② 形状
③ 重心位置
簡単なところではこんな感じです。
まずは①。浮く範囲で重ければ重い程飛距離は出やすいです。
② テールや全体の形状を空力に優れた形にしてやれば飛距離は出やすいです。全体的に細身にするとか腹側を真っ直ぐで背中を丸めるとか。
③ 重心(重心移動が後方に移動時)が飛行時の進行方向に対して前方に行くほど(ルアーだとテールに)飛距離は出やすい。
こんなところに留意して作っていけばいわゆる『飛ぶルアー』ってのが出来ます。
ただ①~③は反作用もあって
① 比重 ⇔ 重ければ重い程水中で動きにくい
② 形状 ⇔ 空力を上げるほどシンプルな形状となり泳ぎに変化をつけにくい
③ 重心位置 ⇔ 重心移動時に後方に行くほど重心が戻り難く泳ぎの立ち上がりが悪い
といえます。
・・・当たり前っちゃ当たり前ですね(^^;)
これらを考えながらルアーを作っていく訳ですが、僕が特にこだわるのが①の比重。
軽ければ軽い程良いって訳ではないのですが、カゲロウ124F。
現在発売されているのは22gですが、もう少し重くても浮いていられます。確かテストしていた当時試したのは24gでも浮いていられたハズ(25gだっけかな)
重い方が横風・向かい風の影響は受けにくくなるし飛距離も伸びる。けど重くなればあるほど水流の変化の影響を受けにくくなる。
例えるなら川を流れる同じ体積の発泡スチロールとたっぷり水を吸った流木。発砲スチロールは橋脚の反転流に捕まってクルクル回っている。でも流木はそのまま流れのちょっとした変化に捕らわれることなく下流に流れて行く。
流れの変化に対する遊泳力のアドバンテージで捕食しようとするシーバスに口を使わせる要素の一つとして、流れの変化をルアーの泳ぎや姿勢に反映してほしいのです。
では軽ければ軽い方が食うのか?となるのですが、、、
* わかりにくくなるので『比重が低い』を『高浮力』と言い換えます。軽い≠高浮力という訳ではないので。
・・高浮力ほど食うのか?というとそうとも言えない。
波に代表されるように自然の流れの中には上から下方向の流れもあります。高浮力すぎると沈む方向の力に対する抵抗が大きすぎて、そういう流れに全く影響受けなくなってしまいます。
全く食って来ないわけじゃないけど、食いやすい塩梅の浮力ってのがあると僕は考えています。
カゲロウシリーズで優先してきたのはそのいい塩梅の浮力・比重。
飛ばないよりかは飛んだ方が良いのですが、カゲロウシリーズは飛距離をそこまで重視して作っていません。
そして・・・
現在開発中のカゲロウMDもかなり良い感じのバランスになってきています♪ 浮力・比重・泳ぎ重視ながらもストレスを感じない飛距離。
その辺りも追々書いていきたいと思います。
(Megabass KAGELOU MD プロト)
久保田氏のブログはこちら