こんにちは、メガバスフィールドスタッフのモジャオこと、村上 哲です。
新登場のオモリグ・イカメタル用ロッド“海煙VSM”をご紹介したいと思います。
と、その前にオモリグ・イカメタルのご説明から。
・オモリグとは・
読んで字の如く烏賊のいる棚までエギを錘で運び誘ってかける。専用のスナップで錘を吊り錘より先はエダスを伸ばし一本のエギで大型烏賊を狙うシンプルスタイル。
昨今では錘を吊るすスナップより上にドロッパーを付けるダブルタイプも様々開発され多様化が進んでいる人気の釣法です。
・オモリグとイカメタルの使い分け・
オモリグの特徴としては烏賊が底に張り付いている。潮が早い。フィッシュイーターに烏賊が散らされ気味で棚が安定しない。等比較的烏賊が警戒心を含んで捕食行動をしている時に無類の強さを発揮します。
それともう一つ、警戒心の強い大型烏賊が釣れやすいのも特徴です。
対してイカメタルは圧倒的に数釣りに特化していますので中層以上に浮き安定した浅棚に烏賊が沢山いる場合はこちらを使用します。特に新子の浅棚数釣り等はオモリグマニアな僕もメタルロッドを握ります。
それでは、海煙VSMのご紹介です。
海煙VSMの主な仕様・魅力
・ヘッドロッキングシステムによりグリップからの手へと明確な感度として伝えてくれる。
・いかなる違和感も見逃さない、スレッドまでオールイエローのロングティップ。
・張りのあるベリーはメリハリのあるアクションを可能にし、烏賊のスイッチを入れることができ、シャープなキャストを実現。
・パワフルなバットは大型烏賊をものともせずリフトアップ。めちゃめちゃ取り回しのしやすいバランス設計も魅力です。
・スピニングモデル63MS/68MHSはMBCS(リールシート)の採用で長時間の釣行も楽にこなせるのは助かる。手の小さな方や女性でも取り回しがしやすいのも嬉しい!
・海煙VSMの狙い・魅力
オモリグロッド 63MS・68MHS
オモリグ本来の楽しさを誰でも感じてもらえる様に、「しゃくったら掛かってた」ではなく、一番烏賊が安心してエギを抱いている “もたれアタリ”の違和感をしっかりとらえて掛けていける設計です(引っ張ったり軽くなる抜けるアタリは、実は“逃げアタリ”。これは上位捕食者の存在や、烏賊が餌を取り合いしている等その場にとどまっていられない場合に起きる。この場合、触腕のみで触れていることも多く、掛からなかったりバレたり触腕が切れたりはこのあたりが大半)。
烏賊が安心したこの状態で掛けることが出来ると全抱きしているため、ほとんどバラシはなく大型烏賊もすんなりキャッチ出来ます。
正に絶対的に釣果にコンタクトすることをコンセプトに開発されたマニア納得のロッドです。
特に63MSは80mを超える水深の若狭湾でメスのヤリイカの違和感までも捉えたいと開発された、感度も取り回しも抜群のエキスパートモデルです。
68MHSはおよそ全国どんなフィールドでもマルチに活躍してくれるバランスとれたオールマイティーなモデルです。
・イカメタルロッド 511MC・65MHC
今回は511MCと65MHCはツーモデルにライトスパイラル・レフトスパイラルを用意。
利き手で持って内側にスパイラルしている事で視認性が上がりトータルの違和感をより早くキャッチ。刹那的なあたりを捉えて掛けるイカメタルには重要なファクターです。
また、系絡みが極端に減るスパイラルガイドですが、見える事でより絡みを回避しやすくなる安心感は長時間の夜間釣行には不可欠です。
511MCはアップテンポにワンピッチで誘ってリアクションで掛けるのに適したモデル。短い事でより視認性が高くなり僅かな違和感も逃しません。
65MHCはイカメタル本来の定点からの上下への誘いや強いシェイク、クイックにアクションが出来るなど幅広くこなすベイトモデルです。
・海煙VSMヒストリー・
親烏賊シーズン及びボトムに貼り付いてる日はメリハリ。大量に浮いてる日はフワフワアプローチがはまりやすい傾向のオモリグ。
モジャオは季節ごと時間・活性ごとに見合ったアプローチをする必要があると常々思っているわけですが、なかなか一本でこれをこなせる(潮の早い遅いのシンカーウエイトは別の話です)ロッドがないなぁなんて思っていたわけです。
今回ご縁ありまして、メガバスの技術でわがままいっぱいオーダーして仕上がったのが海煙VSMシリーズのオモリグロッド。
開発ファーストプロトは沢山のアイテムを僕の要望に基づき作ってもらって実釣。時間を掛けてフルアイテム実釣して答えを出していく。
条件の異なる様々な海域はもちろん、大型船〜小型船まであらゆる釣り座でも実釣を行いました。
柔らかいティップは目感度抜群で荒れた日も違和感なくステイしやすくて良いんだけどメリハリの効いた誘いがし難い…
硬いティップはアクションを起こしやすいけど、もたれアタリが分かりにくい…
穂先は柔らかいけど、ちゃんとメリハリのあるアクションが付けられるように張りのあるベリーが良いし、もっと軽快に捌ける様取り回しをよくしたい…
胴の間(船の中央。後ろに船室などがある場合が多い)からのキャストはある程度短い方がやりやすい…潮が早く引き込む時はそこそこの長さがいる…
“さわり”の前の“まとわりつき”が感じられる感度が欲しい…
半袖等を着ているとグリップエンドが袖に入り邪魔に…でも巻き上げてくる時に女性なら脇の下に挟まないとしんどいだろうし…等々
そんな僕のわがままを形にしていただきました。
テストの模様を少しお話します。
実釣テスト海域
越前〜敦賀〜若狭大島〜宮津〜香住〜鳥取全域〜島根大田
昨年の3月 若狭湾 ヤリイカ 小〜特大
水深84m アンカー 釣座:艫(船の後部)
イカメタルとしては深棚のほぼ底に張り付いたヤリイカをボトムドリフトで狙い、底から剥がす様にアプローチしないと釣れない日であった。しっかりキャストし、少しでも(水深が深い場合投げても意味がないとアナウンスされることが多いが、例え5mでもヨコ引きできれば烏賊にスイッチを入れられることは多々ある)横引きできる様意識してジャークを入れる。これがアタリを誘発し、小さなアタリも捉えて掛けることが出来、船中飛び抜けた大漁捕獲に成功。
これはひとえに視認性が高く違和感をとらえやすい柔らかいオールイエロー・ロングティップの恩恵に他ならない。
4月 越前 ケンサキイカ 中〜大
水深38m アンカー釣座:胴の間
親ケンサキイカの接岸に上位捕食者(大型のマダイなど)が船にしっかり付いてしまった環境下でボトムにて大型烏賊を掛けた後、捕食者に取られないようゴリ巻きで一気に抜き上げる必要があったが、楽に対応。
この環境下にも充分適応できるパワーも兼ね備えていると実感。
5月 宮津 ケンサキイカ 大〜特大
水深40m アンカー 釣座:艏(船の前部)
親ケンサキイカの接岸。特大サイズの通り道的なポイントで烏賊が長く留まらない環境でもテンポの遅い宙の釣りに対応することに成功。
特大ケンサキイカに主導権を渡さず安心して容易に浮かせることができるスペックに安堵を覚える。
6月 鳥取 中〜特大
推進35m アンカー 釣座:艫
親ケンサキイカの接岸。潮が無く完全にボトムから浮いてこない親烏賊をキャストからアップテンポなアクションでスイッチを入れて捕獲することに成功。
メリハリのついたアクションが有効的な日ではあったため、取り回しが良く様々なアプローチがしやすいこのロッドならではの実釣感に楽しさを覚えた。
同6月 島根県大田市 中型メイン
水深35m アンカー 釣座:艫
大量の鯖が湧く中、低活性が予想された。コロコロとレンジが変わるため、ずっとしゃくり続けてサーチする必要があった。こまめなレンジサーチが功を奏し、予想に反しておよそ想定の倍以上の釣果を得ることに成功。
少し暗めの釣座でも視認性抜群のオールイエロー・ロングティップにて全く問題を感じなかった。
7月 香住 小型メイン
水深34m アンカー 釣座:艫
荒れ気味の天候でゴロンゴロン船が揺れる中、柔らかいロングティップが仕掛けを安定させてくれた為、烏賊に違和感を与えずしっかりとした釣果を得ることに成功。
この日も少し釣座は暗めではあったがオールイエロー・ロングティップにて抜群の視認性を発揮。
7月 島根松江 中〜大
水深35m〜64m ドテラ流し→アンカー 釣座:艏
明るいあいだは反応のある浅めのエリアをドテラ流しでティップラン的な要素も含めつつオモリグで実釣。ここでも柔らかいロングティップがしっかり感度を捉え大型烏賊の捕獲に成功。
日が落ちてからは64mにアンカー。この海域には珍しくフィッシュイーターが船下についた為コロコロ棚が変わり、ロングレンジのサーチが必要となりしゃくり続ける必要があった。しっかりとしたレンジサーチのおかげでここでも安定した大型烏賊の捕獲に成功。
長時間にわたりしゃくり続けたのに極端に疲労が小さかった事に驚いた。
8月 若狭湾 小〜特大
水深80〜90m パラ流し 釣座:艫
潮が早くアンカーでは釣りにならずパラシュートアンカーでの流し釣り。前半は小型烏賊を潮が同期しているのも関わらずあたりを捉え連発。後半は小型烏賊のあたりが落ち着いた為、潮境の引おもりを捉えここをメインにアプローチして特大サイズを連発。数・型ともに満足の釣行とすることが出来た。
8月 敦賀 小型メイン
水深70m アンカー 釣座:艫
イカメタルイベントにて小型烏賊の数釣りに参加。この日は不公平が極力おきない様、通常では考えられないほど近くに船が集まった。
大型船の強烈な集魚灯の灯りが目を焼くがそれでもオールイエローのティップは視認することが出来、しっかり釣果とすることができた。
同8月末 香住 小型メイン
水深60m アンカー 釣座:胴の間
終盤のこのエリアの小烏賊を後略するため潮境に対して烏賊がどういうつき方をしているか見極める必要があった。日没後、序盤は比較的浅いレンジにベイトがついているためか潮境のとは関係ないところでのアタリが活発であったが、落ち着いてくると潮境の上下5mまでの間でアタリが頻発する様になる。
ここをサーチできるか否かで釣果に差が出る日ではあったが安定釣果とすることが出来た。
いかがでしたでしょうか、こうしてモジャオの実践から納得のいくロッドをつくっていってもらえたわけです。
エキスパートな方はもちろん、なんとなくオモリグが苦手だなぁって人にも面白さを伝えてくれる仕様になっていますので是非手に取ってみてください!