蒸し暑い毎日です。あまりに熱すぎて、ついついエアコンの効いた空間に居たいと体が自然に求めてきます・・・(笑)
しかしながら天気の良いせっかくの休日を、一日室内に閉じこもって過ごすのも「なんだかな」という感じで・・・
マズメの「ひととき」だけを楽しみに海まで走る気にはなれず、かといってキャストを繰り返しつつ日中炎天下の浜に居座れる根性も無く・・・考えれば考えるほど、私の足は「山」へと向かってしまう・・・(笑)
緑に囲まれた清流の流れに乗って運ばれてくる風は、常に冷たく心地良く・・・夏の釣り場としては「渓流が最強」だと思っておりますが、その居心地・釣り心地の良さと楽しさを知れば当然釣り人の数は増えるもので・・・結果、風景と涼しさは相変わらず「最高」なものの、魚自体はスレッカラシという状況になりつつある。
この日、昼から入渓したこの川も、だいぶ叩かれているようで、そこかしこに真新しい足跡があり、時折見かける魚影には明らかな警戒心が見て取れた・・・(笑)
こういったスレた状況下で、やるべき事は、まず出来るだけ「釣り人の存在」を魚に察知されない事。アプローチは静かに、細心の注意を払うべき。
そして次にキャストは当然の如く一撃でピンを射抜くこと。2投目のチャンスなど期待すべきではない。
続いてキャスト後は、「ルアーをどう動かすか?」という問題・・・正直ここまでのアプローチが完璧であれば、違和感なく魚がアタックしても何ら不思議ではない。そして魚側がルアーを意識していないならば、見切られないように、より魚の捕食欲を煽るようにスピード感をもって誘うのが適なことが多い。その上で尚、魚の「追いが悪い」とか「バイトに躊躇いがある」と感じられるようなら「カラー」で調整してみるというのが私的なのだが・・・
昨今の学習を重ね、ルアーを覚えた天才鱒君達は、そのトゥイッチに踊るルアーの「スピード感」にすら警戒心を抱くらしく・・・手強い。
この渓の魚達も、「ポチャリ♪」と水面に着水した後、「踊り泳ぎだす物体」に大分虐められているらしく・・・流れに佇むイワナを発見し、「これはモラッタ!」と気配を殺した隠密アプローチで魚のはるか上流部にGREAT HUNTING GH46 HUMPBACKを着水させ、「それ喰え!」とトゥイッチを連射したところ・・・魚はGH46目掛けて猛ダッシュしたかと思いきや、踊るGH46を素通りして、一目散に上流の岩影へ逃げ込むという状況・・・(笑)
そして、こんな展開を2~3回繰り返して見せられれば、さすがに釣り人も違和感を覚え、己のルアー操作を疑い始め・・・試しがてら「流れに乗せつつのナチュラルドリフト」を繰り出したところ、自然と流れに乗ってゆっくりと流下していくGH46には、スローではあるが確実に興味を示し、追尾していく魚の姿を確認!
それでもバイトには何かしらのトリガーが必要らしく、アクセント的に時折躍らせる程度の「単発トゥイッチ」の誘いを用いて、ようやくバイト♪
どうやら魚の警戒心の根本は「派手にルアーが蠢くこと」らしく・・・即ち「あまりルアーを動かさないこと!」が重要らしい♪
個人的には渓流ミノーイングは、スピーディーなキャストに、スピーディーな誘い、それに誘われた魚のスピーディーなチェイスの光景を見てこそ興奮するもので醍醐味だと思っているのですが・・・こういったスローな展開も確実にございます。(笑)
さてさて、ひとつ指標めいたメソッドが見つかれば、後はそれを次々と現れる淵々で試していくのみ♪
極上の淵を目の前にすれば、ついついいつも通り、落ち込み横の岩陰にGH46を撃ち込み、問答無用で「チャッ♪チャッ♪」とトゥイッチを連射したくもなりますが、そこを我慢!(笑)
フライでも扱うかのように繊細に流れを読み、ルアー着水後は流れに任せて岩陰を通るようにアプローチ・・・GH46を静かに着水させ、沈下しつつ流れに乗せつつ岩陰横をスローに舐めるようにトレース・・・時折揺らめきつつ、ボトムタッチさせない程度に繰り出す単発トゥイッチの4発目に、真っ黒な魚影が岩陰より走り、タクミイワナに猛バイト♪
居るべき所に、実はやっぱり魚は潜んでいて・・・「生存」をかけて学習した鉄則を守り、頑なに蠢くミノーを無視してきたとは思いますが・・・
ルアー操作のスピード、トゥイッチングリズムに変化を与えられた途端、やっぱり本来の食欲には・・・本能には抗えなかったもよう♪
無理も無い。「捕食」だって「生存」には必ず必要な行為ですから。
見つけたパターンは正解らしく、この後はナチュラルドリフトからの誘い・・・
GREAT HUNTING GH46 HUMPBACKを『「ス~」と流して「チョン」と誘う』リズムにて淵を叩き続けることで、スローなテンポの釣りではありましたが、確実に安定して魚のバイトを得る事ができまして・・・
とりわけ大き目の岩陰を備えた淵には、スレッカラして用心深く成長した良型が安定して隠れ潜んでおり、先述の通り、落ち込みの流れを利用して、岩陰にGH46を流し込みつつ・・・
時折、魚に存在を知らせる程度に揺すり、微かにロールアピールしたGH46に、やっぱり岩陰から黒い影が、水飛沫を上げながら猛ダッシュで覆いかぶさり、直後もんどりうち暴れるのでした♪
釣り人過多な状況下、渓流という、どちらかというと閉鎖空間の釣り場は強烈に魚の学習・警戒が進み、シビアな状況になりがちでありますが、釣り人に攻め叩かれれば叩かれるほど、警戒する魚側にも、ある種警戒に「傾向」ができるようで・・・それら魚がとりわけ気にしている点を、「避ける」あるいは「解き放つ」ヒントが分かれば、俗に言う「パターンを知る」のと同様、途端にバイトが得られるようになることがあるから興味深い!
釣り場ごと、どういったアプローチ、どういったルアー操作に、魚達の警戒心を取り払う効果があるかは異なり、その時々の川で、魚と対峙して気づくしかない類のもの・・・
誰も知らない、誰も教えてくれない「秘密」を知りに行く、見つけに行くという楽しさでしょう♪
無論「秘密の発見」は、そう簡単ではないかも知れないけれど・・・竿を振りつつ悩み、試行錯誤する環境としては、済んだ水と緑に囲まれて、涼しく心地良い山奥の渓流は、結局やっぱり最高な場所なのです!(笑)
【使用タックル】
ロッド : GH57-3LS Whip Twich 573
リール : 2000番
ライン : PE 0.6号+フロロ4lb