東京湾ではクロダイ・キビレがゲームフィッシュとして注目されています。
フリーリグやベイトフィネス、パワーフィネスによる落とし込みによるワームフィッシングが主流となっていますが、もう一つのエキサイティングなゲームとして小型のポッパーやペンシルベイトを使ったトップウォーターゲームがあります。
バスやシーバスや青物など、小魚を餌の主体とするゲームフィッシュでは、トップウォーターゲームは比較的スタンダードな釣り方であり、時として最も有効な釣り方となります。
しかし、クロダイ・キビレでは小エビやカニなどの甲殻類、イガイやフジツボ、アサリなどの貝類、海苔などの海藻類、ハゼやイワシや 様々な小魚の稚魚などの小魚と雑食のため条件が合わないとトップウォータープラグには反応してくれません。
それでは東京湾でクロダイ、キビレにトップの釣りが有効なのはどのような条件なのでしょうか。
まず水色があります。
東京湾は多くの流入河川があり、栄養塩類が豊富でプランクトンの繁殖も盛んです。冬季を除けば透明度が低く非常に濁りが強い海です。
あまりに濁りが強い時には、クロダイ・キビレもルアーを認識できずに反応してくれません。
水色が茶色で濁っているように見えても、10cm、20cmの透明度があれば反応してくれます。
最も難しいのは細かい粒子が漂っている様な時や、透明度が低く灰白色に濁っているような時です。
これは東京湾の多くの干拓事業の際に海底の泥を使って埋め立て工事が行われ、その際に開けられた海底の穴の海底の有機物の分解に海中の酸素を使ってしまう為に発生する貧酸素水塊のせいで、多くのプランクトンが死んだ厳しい海となっています。
こんな時はあらゆる魚が生を繋ぐのにやっとで、とても活性の高い状況とは言えません。
6月〜10月まで何回か台風が来て東京湾の水が大きく入れ替わるまでは、こんな厳しい状況が続きます。
こんな時は流入河川が入り込んでいるところや、東京湾口など貧酸素水塊の影響が少しでもすくないエリアを選んで釣行します。
次にトップウォーターゲームを成立するための大きな条件に、潮位があります。
東京湾は瀬戸内海に次いで潮汐の干満の差が大きく、大潮周りでは1.5mにもなります。
満潮の際に良いポイントでも干潮時にははるか丘の上となってしまいます。
クロダイ・キビレは雑食性の為か、積極的に長い距離を追ってルアーにアタックすることはあまりしません。本当にルアーが目の前を通り過ぎないと反応してくれないのです。
石積みの護岸、バスフィッシングで言うところのリップラップやテトラ周り、浅瀬に隣接した駆け上がり(ブレークライン)、そして牡蠣などの貝殻が積み上がってできた牡蠣瀬など、クロダイ・キビレの餌場、フィーディングポイントとなります。
こうしたポイントでは潮位が高い時に魚が集まる場所と、逆に潮位が低い時に魚が集まるポイントがあります。潮位を見極めながらポイントを選択していきます。
使用するルアーでは小型のポッパー、実績のあるところではポッピングダック、SWING HOT(水泡)があります
。
少し波気がある時やこう活性時はポッピングダックを、ポイントにタイトに次いているときや波静かな時はSWING HOTを使います。また時としてはペンシルタイプの方がよく釣れる時には、バス用ルアーですがドックXがお勧めです。
ルアーの動かし方、クロダイ・キビレの誘い方としては、細かい動きで魚にルアーを認識させ、食わせの間でルアーに乗せるといったイメージになります。
他の魚食性のゲームフィッシュでは早いスピードや長い距離を追ってルアーに反応してくれますが、クロダイ・キビレでは細かい動き、クロダイ・キビレの動きに驚いたエビや小魚が、水面をピピピピと逃げる様なイメージで誘ってやります。
ルアーの動きをよく見ていると、動かしているルアーの後ろにモワモワとした魚がついてくる時の水流の乱れが見えたりします。
またそうでなくとも後ろに魚がついてきていることも多々あるので、一瞬ルアーの動きを止めて様子を見てみる事が大切です。
基本的にトップウォータープラグに出てくるクロダイ・キビレは浅場にいるので、ソフトプレゼンテーションに気をつけなくてはならないことと、動かし始めですぐ食ってくることも多いのでキャスティング直後からきをつけなくてはいけません。
使用するタックルは以下の様になります。
ロッド:空海Gulf CKG-53LSまたはCKG-63MLS
リール:2500〜3000番スピニング
ライン:PE1〜1 .2号
リーダー:4〜5号、16〜20lb