まさか自分が大使を委嘱されるとは。身に余る光栄ですが、新聞の見出しを見て、様々な思いが去来。
子供の頃から地元の弁天島をはじめ、海山川を駆け回る悪ガキだったので、たとえば近所の酒屋さんからいらなくなった空き缶を軽トラの荷台いっぱいもらって、それをつなぎ合わせてイカダをつくり得意満面。その名は、当時のマンガ、キャプテンハーロックにあやかって名づけた「アルカディア号」。空き缶つないで作ったイカダで繰り出す先が、近所の川や海。そこが当時の自分たちにとって宇宙だったんですね、きっと。
ちなみに、現在ロケで乗っている船、ギャンブラー209・アルカディア号は4世なので、いってみれば、初代アルカディア号は空き缶だったんですね(笑)。
で、イザそれに乗っかって漕ぎ出したらバラバラに・・・顛末はご想像にお任せしますが、「無謀少年、空き缶に乗って撃沈。」たいへんな騒ぎになって・・・親父にぶん殴られました。また、浜名湖の対岸に手っ取り早く行きたくて、夕方、エンジンをメンテナンス中だった奥浜名湖に住む親戚の和船をちょっくら拝借し、手漕ぎで縦断を決行。大潮の三角波と潮流にもまれ、なんとか夜半に対岸にたどり着くも、こちらもえらい騒ぎになっておりまして、家族親戚、ご近所の漁師さんたちにも大変なご迷惑をお掛けしたことも。
一緒に空き缶船作りを手伝った友達のK君は、風のうわさに頼ると、自衛隊に入隊し、その後、青年海外協力隊の一員となって海を渡り、世界各地で支援活動に取り組み活躍しているそうで。いまにして思えば、あの時、空き缶船のアルカディア号はバラバラになってしまったけれど、2人の夢を乗せて社会という大海原に繰り出していたのかも。
私の方はといえば、その後もひたすら魚を追い求め、気がつけばこの歳になっていたわけですが、今回の大使委嘱は、いままでお世話になってきた地元浜松市に恩返しする天与の機会ととらえ、精一杯やらまいか、と思っております。
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