ここ最近は、東京へ行ったり来たり。
つい先日も東京で、各界で活躍する浜松市出身の親善大使の交流会と浜松の地場産業をプレゼンするイベントが開催され、私も親善大使の一人として呼ばれました。
会場では浜松市長から、「由樹さんに紹介したい人がいるんだ。この人知ってる?」と呼び止められ、ホラー映画「リング」の作家で同郷の鈴木さんも新たに親善大使に加わり、彼の趣味である東京湾のクルージングや、これからやってみたいというシーバスの話で盛り上がりました。各界で釣り愛好家が増えるのは嬉しいこと。親善大使の仕事としてできることは、浜松のモノづくり精神と自然環境をアピールするため、釣りとアウトドアスポーツのエバンジェリストとして活動することかな。
その数日後、今度は、東京赤坂ミッドタウンでGOOD DESIGN AWARD 2014が開催。 東京でお世話になっている各界の方達に顔を出しつつ、なつかしい顔ぶれとも再会を果たし、作品展示会場では台湾でご活躍のインダストリアルデザイナーに呼び止められ写真撮影をこなしつつ、雑誌BASSERの取材インタビュー・・・と慌ただしい上京となりました。
毎年のことながら、自分を含めたアングラー目線による魚を釣るために効果的なギアをクリエイトしつつ、産業界からの「社会の目」による審査基準を満たさなければならないという、難易度が高いインダストリアルデザイニングやアートディレクションにもチャレンジし続けているのですが、近年のGDA(グッドデザインアワード)は、日本だけでなく各国からエントリーが増加。イタリアのミラノサローネを思い出させる盛大なアワードでした。
今年は、「I-SLIDE」シリーズが受賞。お蔭様で私としても19回目の受賞になりまして、マーケティングチームのYマネージャーによると、メガバスとしては受賞作品が200数作品を越えるそうで、イタリア国際デザイン博も含めると、おそらくスポーツフィッシング用品としては世界最多受賞だそう。個人的にもルアーでの受賞は嬉しいものがあります。
今回の授賞式では、雑誌BASSERが取材に来場。I-SLIDEという“バスルアー”が受賞したことが業界人として誇りに思うとおっしゃっていたのが印象的。バスフィッシングが一定の市民権を得るか、他のアウトドアスポーツのようにマジョリティな分野として真の意味での社会的認知を得るまで、私たちのチャレンジは終わらないと思います。
20年前に初めてGDAにエントリーした頃は、一般産業界から見れば、たかが釣り、だった。やがて、ルアーフィッシングは一時、新たなアウトドアスポーツとして日の目を見るものの、外来魚防除法によって社会から厳しい目で見られたことも。
しかし、現在は、「されど釣り」へと変化してきた。様々な時代による見方はあるものの、同じことをやり続けるというのは、もはや執念とか情念とかに近い感情もあるはずで、道具に魂を宿す作業とは、そんな青い感情だったりしますね。
今回、ダイハツの軽スポーツ「コペン」や、スバルの「レヴォーグ」もGDA受賞。
昨年までは、ECOなものが受賞していましたが、これらの受賞作品を見ると、今年は「エモーション」や「遊び心」だったのかなと思います。
日々の生活では中々実感出来ていませんが、企業業績で見れば世の中の景気は上向きのトレンドに入ったのが受賞作品を見ても伺えます。
デザインとは、一足先に世の中を映し出す鏡。或は、作り手の心情を反映した社会へのメッセージともいえますよね。応援ありがとうございました。