キープキャスト名古屋をはじめ、各地開催のイベントでは多数のご来場ありがとうございました。例年どおり、ロッド片手にフィールド業務に戻ったところ・・・担当のNさんから緊急連絡が入り、出版社のIさんが浜松に来られ、発売直後の2月末に新刊書籍「THE 鬼手仏心・魚を獲って暮す生き方に学ぶライフデザイニング」が、アマゾン人気書籍ランキングで堂々の1位になったという嬉しい報告が。他の倫理・社会学ジャンル本やノンフィクション分野でもノミネートランクされるなど、自分でも驚いておりまして、読者の皆様にはこの場を借りてお礼申し上げます。ということで、只今、第二弾のテーマを練っている次第であります。
さて、三寒四温といえども早春の寒波到来。昨日は、開発もいよいよ佳境を迎えたI-JACKのテストでフィールドに出撃。
アイティオーエンジニアリングとしては、フィッシュアローさんの依頼で開発したIT-JACK以来の、サーフェス・ウエイクベイトということで、かつてなかったアクションを生み出す「新技術機構」の開発に取り組んでいる。Fショー発表以来、昨日までにもはや3度目の設計変更とデザイン修正を行っていて・・・ついに光が見えてきた。
実験中の新機構「RAB(ラダーアクションバランサー)システムPAT.P」は、これまでの「ルアーのリップの角度」、「ルアーボディの形状」、「安定させた重点」によってのみ生み出されていたルアーアクションの定義を大きく塗り替えるもの。
I-JACKへの搭載に成功すれば、今後、バスルアーはもちろん、LBO[リニアベアリングオシレーター]PAT.P同様に、ソルトウォーターの、特に干潟の釣り分野へも広がりを見せていく可能性がある新技術。
ルアーボディ内部に内蔵された「RAB」は、その名の通り、ラダーである舵を左右に切りながら、ラダー先端に接合されたバランサーを広角に振り子運動させる新技術。
振り子運動によるラダーの舵切り動作によって、重点が遠心力を伴って左右に振り子移動し、この力によって、ルアーボディを信じられないパワーと角度で横転させる、「パワフルな、きりもみフラッタリング」を生み出す。
従来のローリングアクションの基準を大きく塗り替える、ハイピッチのスクリュードライブで泳ぎ、驚異的な水流撹拌力を生み出すというもの。
この時、ラダー先端のバランサーはボディの肉薄成形壁に連続ヒットして、軽妙なアタックサウンドを水中に向けて奏でる、という寸法だ。
テストでは、サーフェスルアーでありながら、深層にいるターゲットへの驚異的な訴求力と広域に拡散する魚への圧倒的な集魚力は他に例を見ない。そんなビッグベイト以来のインパクトに注目してきた。アメリカでもウエイクベイトが台頭してきているが、I-JACKは、タフったときに繰り出す新たなる水面直下のファストムービングパターンとしてエドウィン達も注目するルアー。
今年のメガバスは、目下、釣りの未来を切り拓く、こうした数々の新技術開発に力を入れている。石田たち若手が取り組んでいるHYUGA(ヒューガ)も同様で、「性能と価格の壁」というこれまでの業界常識を打ち破るチャレンジングなタックルが、釣りの世界を広げていくと思う。
我々釣りプロが魚を手ににっこり笑ってグラビアを飾っていても、釣りの未来など変わらない。私達は仕事で毎日釣りばっかりやっているのだから、釣れるに決まっている。
これまでもそうだったように、これからも釣りの世界を広げていくものは、新たな技術を生み出すことや、真摯に取り組む漁獲工学に他ならない。それをフィッシングタックルの分野でいかに表現していくかだけであろう。
ということで、今日はこのあと、現在お問い合わせ殺到中のARMS SUPER LEGGERAのバランス取りにフィールドへ再出撃。
フィッシングショーで発表直後、価格も含めてまだ正式なプレスリリースをしていない状態にもかかわらず、現在すでに今年の年産分(限定生産枠)が埋まってしまう勢いですが、物をしっかり見てから判断して頂けたらと思います。現在テストの最終段階まで来ていますから、当然スペックアップしていますからね。
こちちらも数々の新技術や新概念を導入している竿だけに、数々のフィールドテストをクリアしていかねば、です。
桜の花が咲くまでは・・・春遠からじ、されど野に吹く風は寒風、である。