イタリアミラノにおけるARMS(コンプリート)の国際的デビューによって、オリジナルARMSからはじまったメガバスのロッドづくりは、国内に留まらずグローバルなステージで評価を受けるロッドとして劇的な進化を遂げることになった。
西ヶ崎ファクトリーでは、いよいよARMSスーパーレジェーラの最終プロトタイプの煮詰めに入っているところ。
細部のパーツを展示品のものよりさらにブラッシュアップ、異軸多弾性ブランクについては展示品よりもおよそ3~4gの軽量化。カーボングリップの芯には、展示品ではケミカルABSウッドを使っていたが、製品版では新素材の超高密度ABOブロックを成形して採用するなど、いよいよカウントダウンに向けてファイナルプロトの作成に入っている。
ARMSはこれまでにも何度か言ってきたように、将来のメガバスロッドアイテムにフィードバックするための数々の先行技術を盛り込んだロッドなので、ロープロファイル・センターバランシングやハニカムヘッドロック、オフセットスペーサー、セクションによって異なる軸を持つ異軸多弾性グラファイトシャフトをはじめ、数々の新しい概念や新素材の実験に余念がない。※テーラーメイドプログラムでは、カーボングリップの仕上げについて、標準が右奥のグロス(艶有)仕上げ、オプションオーダーでは手前のマット(艶消しノンスリップ加工)が選べる。
先日、イタリアのメガバスディーラーが西ヶ崎・本社ファクトリーに来社。スーパーレジェーラのプレゼンをすることになった。ARMSは、ミラノのトリエンナーレ博物館に展示された世界で初めてのフィッシングタックルということもあり、イタリアのアングラーたちにとってアームズは、メガバスを象徴するアイコンになっているようだ。それだけにスーパーレジェーラにも、ひときわ熱い視線が注がれている。
既にイタリアからオーダーが舞い込んでいる状況なので、今後、欧州、アメリカ、マレーシア、シンガポールでのプレゼンをこなした後の全世界への割り当てを考えると、日本への割り当ては少量になりそうか。グリップやパーツ製作のほとんどの工程が手作業によるものだから、メガバスファクトリーと違ってアイティオーブランドの小さなファクトリー規模では一日に組み上げられる完成数にも限度がある。
しかし、高次元のフィッシングパフォーマンスがもたらす使用時の充実感、工業製品の枠を飛び超えた所有する満足感は、これまでのフィッシングロッドでは得られなかった高いよろこびをもたらしてくれるだろう。
バスフィッシングに高い質を求めるアングラーにとっては、至高の一本になるはずである。