令和4年度 メガバス㈱本社入社式 | Megabass-メガバス

令和4年度 メガバス㈱本社入社式

 

入社式:新入社員歓迎の挨拶
メガバス㈱グループCEO 伊東由樹挨拶

(※まとめ:本社管理部要約)

新入社員の皆様、入社おめでとうございます。

メガバスグループは今年8月に創業35周年を迎えます。大きな節目の年に、若い力の皆様方をお迎えすることに時の経つ早さを感じ、感無量な思いがします。

弊社のこれまでの歩みをざっと振り返ると、世界を揺るがす様々な波を経験しております。

現在はコロナ禍にある中、ウクライナの有事の事態も重なり、2022年メガバス・コンセプトアルバムの表題「パラダイムシフト」のように、世界の変容の渦中に私たちはアウトドアスポーツの道を歩んでいます。

この35年間、私たちは、数々の災いなどの大きな波に直面しながらも、今日の日を迎えた、サバイバーかもしれません。

創業期は、バブル崩壊による厳しい日本経済の底から未来の可能性に賭けて、何も無いゼロからメガバス社を創業致しました。大変な時代でした。
わずかな可能性へのチャレンジがやがてフィッシング事業の分野で実を結び始めた頃、当時、私は西日本事業の開拓に取り組んでおりました。西宮の現場で指揮を執っていました。
明け方でした。高速道路が崩落し、阪神淡路大震災に直面し、西日本事業に向けて出荷した製品や大切な事業資産を失い、共に頑張ってきた仲間やお取引先も失いました。
逆境に負けたくない思いから、日本独自のルアーフィッシング市場の創出と発展に精力を注ぎ、それまで一部の愛好家によるマイナースポーツだったバスフィッシングに一大ムーブメントをもたらしたく、この釣りの魅力を全力でお客様にお伝えしてまいりました。

しかし、大きな波が襲いました。
弊社は、創業期から行政と協力し合い、様々な環境保全活動やバスフィッシングへのご理解を得る活動に取り組んできましたが、残念ながら各地でリリース禁止の施行がされ、2004年には、私たちの業界と市場から多くの仲間が去る事態となりました。懸命な努力をされてきたお取引先様や同業メーカー様を市場から退陣させる外来法が施行されました。
しかし私達は、日本独自のルアーフィッシングの文化を世界に発信し続けました。

グローバルな事業拠点としてマサチューセッツのメガバスUSAにも注力し、再度アメリカに渡り、海外各地にて日本の釣り文化の伝承と普及に取り組んでまいりました。
その努力が着々と実り、今日のメガバスオブアメリカInc.や欧州拠点の礎ができました。

しかし、そこでも大きな波に襲われました。
9.11テロを機に現地の市場経済が急速に悪化し、私たちの輸出事業は為替打撃によって市場競争の低下を招き、これまで誇ってきたメイドインジャパンに大きな試練が待ち受けていました。培ってきた匠の技をスピーディに展開すべく工法進化に磨きをかけ、流通改革を進め、当時、米国のサブプライム問題に端を発した、さらなる為替打撃の波に直面しながらも、メガバスのアイデンティティを守り抜くため、グローバル市場へチャレンジを続けてまいりました。

その後も、さらに大きな波が何度もやってきました。
リーマンショックによる世界的な市場経済の低迷に加え、市場性とライフスタイルの変容による荒波の中でチャレンジングな航海をしてきました。その傍らでは、創業期から取り組んできたソルトウォーター分野(XOR)にも尽力してまいりました。多くの海釣りユーザーからご支持を頂きながら、日夜取り組んできた多様な魚種の研究成果が東日本の皆様からも高いご評価を頂き、開拓の努力が実を結びはじめ頃でした。

それを津波が襲いました。

当時、東日本におけるソルト市場の商圏が奪われ、何よりも尊い命が奪われ、アングラーの活動も奪われました。復興には膨大な時間を要しております。

今日まで、こうして予期せぬ天災や人災に直面し、多くの波を乗り越えてきたものですから、本日の晴れがましい席上でネガティブなことばかり振り返ってしまい・・・申し訳ありません。
来月には辞めてしまう方もいらっしゃるかもしれません(笑)。

コロナ禍で本日相席できなかったカリフォルニア、ピッツバーグのMOA(MEGABASS Of AMERICA Inc.)と各地事業拠点の皆様方、本日列席された各事業部チーム責任者の皆様方、そして本日入社された新入社員の皆様に申し上げておきたいのは、次の一言です。

「みなさんは、一人ぼっちではない」ということです。私も皆様から支えられ、大きな波に立ち向かうことができたのです。「ここには多くの仲間がいる」ことを忘れないでください。良い時もそうでない時も一緒に前を向き、共に道を切り拓くファミリーです。なので、メガバスグループでは、会社や組織の中で要領のいい「企業人」になってほしくありません。

我々は多様な社会を生きる仲間であり、一人一人が社会人です。ですから、社会で活き活きと生きていくための活動をしましょう。気持ち良く明るく挨拶ができること、自分の意見は相手に伝わるようはっきりと伝えること、困った人がいたら手を貸しましょう。そして、わからないことは何でも聞きましょう。
私もわからない事だらけなので、いつも皆さんに聞いて教わっています。知らない事は恥ずかしいことではありません。
物知りのコップを空っぽにして、つねに新鮮な知恵の水を入れて満たしていきましょう。私も共に切磋琢磨していきます。

新たな若い力の皆様と共にチャレンジできることを誇りに思います。
以上を新入社員歓迎の挨拶とさせていただきます。
入社おめでとうございます。宜しくお願い致します。

メガバス㈱グループCEO
アイティオーエンジニアリングCTO
伊東由樹